個人的には苦手だけど読みたくなる

 僕の認識の中で、これはコーヒーとかに近いかもしれない。いや、ちょっと違うか。物凄く苦いけど栄養豊富、みたいな。パッと出せるのだと、青汁とか? サンマのハラワタとか。はたしてハラワタの栄養価が高いとかそういった事実は知らないのだけれど、感覚的にはそういう感じ。
 こういう思想のもとに小説を書いてくれる人がまだ存在するという事実を確認することができてとても嬉しい。こういう思想、というのは世の中には残酷と言われて然るものが存在し、それを忘れるべきではない、及びそれを表現するのにフィクションが貢献できる、といった考え方だ。
 残酷な表現というのはなろうにもカクヨムにも溢れているように思うけれど、そう言う思想とセットであるものは少ないように思う。ひょっとしたらそんなことないのかもしれないけど。結局は僕の主観だ。
 見当はずれだったり、馬鹿らしいかもしれないけど、この小説を読みながらそんなことを考えていた。そのことを誰かに知ってもらいたくてこの文章を書いた。
 予防線として、思想だけが理由で読んでいるのではないということを追記しておく。文体だとか、描写内容だとか、そんなこんなにも惹かれてこの作者の作品を読んでいる。どの要素もこのカクヨムで上澄みの部類だと思う。それだけでも推薦する価値がある。
 同作家の他の作品も読んでみて欲しい。面白かったから。

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