タカナシ怪奇譚 呪いの家
タカナシ
「呪いの家」
こんばんはタカナシです。
私は自分で言うのもなんですが、自他共に認められる程、運が良いです。
その背景には、いくつか要素がありそうなくらい運がいいのですが、その要素の1つに父方の家系があります。
南房総出身で有名な怪異譚として『南総里見八犬伝』というのがあるのを皆様はご存じでしょうか?
私の父方の家系はそこに出てくる犬塚信乃の末裔だと言われています。
まぁ、この話の人物自体、作者の滝沢馬琴のお手伝いさんがモデルだと言われていますので、仮にその話が本当だったとしても、お手伝いさんの末裔程度なのですが。
ですが、不思議なことはあるもので、私の父の兄妹、私にとって叔母にあたる人物は霊能力があるそうで、そのせいか、いえ、性格的な問題で一族から変わり者扱いされている方がいるのです。
今回はその叔母と両親の話になります。
※
あれはまだ私が生まれる前。
そもそも結婚したばかりの頃だったそうですが、両親は新居を探しに色々と鴨川市の物件を見て回ったそうです。
そんな折、値段、場所、家の構造全てにおいて理想の家が見つかったそうです。
我が父は普段はオカルトみたいなことは全く信じず、お化け屋敷もぐんぐん進んで行ける、どころか同行者を自分が驚かすくらいのタイプなのですが、なぜか、このときは叔母に家を見てもらったそうです。
すると、叔母は、
「この家は止めた方がいい。絶対に良くないことが起きる」
と、断言したとの事なんです。
それで、このときはその叔母の言い分を信じ、両親はこの家を購入することを諦めました。
え? この家が本当に危険なのか分からないって?
そうですね。この話にはちゃんと後日談もあります。
それからしばらく経った頃、その家には無事、別の買い手がついたそうなのですが、その方は自殺されたそうです。
それを聞いた両親はその家を簡単に調べたそうなのですが、両親が買う前に住んでいた方は謎の変死を遂げていたそうです。
2人もその家で亡くなっており、叔母の言葉の信ぴょう性が出てきます。
さらに次の買い手が見つかると、その家ごと火事でお亡くなりになったそうです。
その一件以来、両親が新居を探すことは無くなり、今も母親の実家をリフォームして住んでいます。
余談ですが、私の父は、悪運というのがめっぽう強く。こういう目に見えない事象で何かあることがほとんどないのです。
そういえば、犬塚信乃は破魔の力を持っている方でしたが、もしかしたら父はかなりそのあたりを受け継いでいるのかもしれないです。
タカナシ怪奇譚 呪いの家 タカナシ @takanashi30
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