ドラゴンロード、というこのファンタジー世界に実在した大ボスの生まれ代わりと自称する十歳の女の子の日常コメディです。
まあ、要するにちょっと早い中二病、ではあるんですが。
我々の現実世界の中二病と違って、ドラゴンロードや生まれ代わりという物がほんとに存在するファンタジー世界なのがポイントなんです。
ほんとにただの中二病なのか、あるいはそうではないのか、それとも第三の可能性もありうるのか?
そんな感じではあるんですが、周りの人々からすりゃ、ただの中二病の子どもにしかみえないわけで。
生温かい目で周りから見守れちゃう系ガールな彼女は、今日も元気にやんちゃな言動でみんなを振り回しまくります。
キャラ配置が絶妙で、とくに彼女の弟が良い味だしてるんですね。
ドラゴンロードの生まれ代わりを自称して憚らない姉を持ってしまった弟の苦労の日々、それがこの作品の見所にもなってます。
ルーシーのドラゴンロード宣言やお転婆な性格、弟や周りの子供たちとの掛け合いが微笑ましく描かれており、読んでいてほほえましい気持ちになりました。一方で本物のドラゴンロードであるベアトリクスの大人の余裕や包容力も印象的でした。
子供たちが戦場跡に向かう道中、ベアトリクスから聞く戦いや政治の話は少し難しそうですが、これから彼らが成長していく上での学びの一つになるのかもしれません。
亡霊の噂のある戦場跡での冒険がどのように展開していくのか楽しみです。ルーシーたちそれぞれの魅力がさらに引き出されそうな予感がします。
子供たちの無邪気で活発な様子と、それを優しく見守る大人の姿が心温まる、ファンタジーならではの冒険の始まりを感じさせる作品だと思いました。先が気になる終わり方で、続きが読みたくなりました。
「呪いのドラゴンロード」の生まれ変わりであると言ったのが、邪悪な存在であったなら、この世界は恐ろしいことになっていたかもしれません。
しかし、本作で「呪いのドラゴンロード」の生まれ変わりだと信じてやまないのは、10歳の少女ルーシー。まわりの人達から愛されて育った無邪気な女の子だったからこそ、彼女の成長を紡ぐこの物語は、とても和やかで温かいものになったのだと思います。
日常シーンはとてもほのぼのとしたもので、時には弟や友達と小さな冒険に出かけたりもします。
私個人としては、ルーシーがドラゴンロード口調を頑張って作っていながらも、急に素の口調が出ちゃうところとか、他のドラゴンロード相手にムキになって張り合っちゃうところとか、すごく微笑ましくて可愛らしくて好きでした。ここは、本作の中でもぜひオススメしたい見どころの一つです。
文章的なところで言うと、本作は三人称視点で描かれているところもよくて、主人公のルーシーに感情移入して成長を追体験するというよりは、彼女の日常と成長を、そして、多くの人達との出会いと冒険を見守るような気持ちで楽しむことが出来ました。
これは三人称視点で描かれているからこそ、できる楽しみ方ですよね♪
おそらく一度読み始めたら、最後まで読み進めてしまうこと間違いなしです!
ぜひ、ルーシーの日常と冒険を見守ってあげてください♪
主人公は自らを呪いのドラゴンロードの生まれ変わりと自称する少女ルーシーちゃん。
一見すると痛い子なのですが、ルーシーちゃんの根が素直な性格もあって、なんだかんだで周りから受け入れられとっても愛されています。
ドラゴンロードらしい尊大な態度と話し方をしようとしますが、初対面の人の前では普通にしか喋れなかったりするのが可愛らしいです。
ルーシちゃんの名誉のために補足しておくと、自分が呪いのドラゴンロードの生まれ変わりであると勘違いしても仕方ないだろうなと思える理由はあったりします。
素直なルーシーちゃんなら、特にですね。
物語はルーシーちゃんが10歳の時から始まり、12歳になると魔法学校に入学します。
この頃にはちょこっと成長して、ドラゴンロードっぽい話し方をするのを恥ずかしがり止めてしまいますが、巣が出る瞬間にやってしまったりします。
これがまた可愛らしい。
とにもかくにもルーシーちゃんが愛らしく、ほのぼのとしたファンタジーが好きなら必見だと思います。
に思わず胸を掴まれてしまう素敵な物語でした!
前作がありつつも、時系列的に後、かつ視点を変えているため問題なしとの断りが入っていましたが、まさにその通りでした!
作者様の前作知識なしに読み進めても違和感なくスラスラと読み進められます!
主軸になる姉弟のやりとりが特別なことをしなくとも頬を緩ませてくれるとても温かい進行を見せてくれました!
また、語り手が登場人物ではなくナレーター形式なのですが、固すぎず物語の進行のノイズにならないような柔らかくユニークな語りというのが少年少女の物語の魅力を惹き出しているようにも感じられます!
とても優しい世界観が広がっており、それを象徴するような導入で思わず物語に夢中になってしまいます!
特に子供中心の話が序盤に展開されていますが、子供ばかりなのに真っ当な常識人が多く、島の男の子たちがとても「自分の気持ち」に素直な部分が潔しでした!
まだ2章を読み終えたばかりですが、この先の主人公の活躍を草葉の陰から見守りたくなるそんな素敵な作品。みなさんもドラゴンロードに出会いにいってみてはどうでしょうか?
主人公、ルーシーは、ちょっと痛い子。
自分をドラゴンロードの生まれ変わりだと信じ、尊大な口調を好んで使う。
自分の弟を眷属、家来のように扱いたがる。
主人公、ルーシーは、仲良し両親に愛された子。自分にあまあまな、お父さんが大好き。お父さんの前では、愛される子としてふるまうし、初対面の大人には、きちんとした口調で喋る。
主人公ルーシーは、なんだかんだ言って、弟のことが好き。お父さんに、「レオンハルト(弟)のおかげです。」と、弟をたてる事も忘れない。
主人公ルーシーは、夢を見る。不思議な夢、それは、自分がドラゴンロードになっている夢───。
10歳の子供らしい可愛らしさを持ったルーシーに、ほのぼのしながら、ルーシーの持つ謎に、先がどんどんきになる物語です。
10歳の少女ルーシーは、自分をドラゴンロードの生まれ変わりだと言ってしまう低年齢ながらの中2病。弟レオンハルトを眷属扱いし、今日もごっこ遊びに余念が無い。
けれども、彼女自身には大いなる秘密があり、冒険によってその扉が開かれます。
日常的なパートが多く、主人公の側でその成長を見守っているような気分になれます。文章も易しく丁寧で、描写に優れているので、場面を思い浮かべることが容易です。
切った張ったの冒険物ではありません。
少し不思議な日常が積み重なり、自分の夢や冒険と結びついていく小女時代の憧憬のような作品です。一読することをお勧めします。
彼らのこれからの成長が楽しみになることでしょう。