第6話 あれから
早いもので、あれからもう半年が経つんですよねぇ。
その後どうなったかって?
それがですね……あれから私、だいぶ変わってしまったんですよねぇ……
あ!ご安心ください!
ちゃんとお付き合いは継続してますからね?
まぁ、グダグダ言うより見てもらったほうが早いと思うのです。
百聞は一見にしかず、ですよ?
今の私達、とくとご覧に入れましょう!
丁度良く前方に直君発見です!
お友達と一緒みたいですけど、構わないですよね?
ちょっと驚かせてあげましょう!
「な〜おくんっ!だ〜れだっ?」
「うわっ!ちょっと紡?飛び付いたら危ないだろ?!」
「なっ、なんで私だってわかったんですか?!」
「そりゃわかるよ……俺のこと直君って呼ぶの紡だけだからね?」
「はっ!私としたことがうっかりしてました!」
「紡は今日も元気だなぁ。そこも可愛いんだけど」
「えへへ。もっと頭撫でてください」
「よしよし……って人前で何させてるの!」
「私が言う前に撫でてくれましたよね?」
「……たしかにっ」
「お前ら相変わらずだな……俺もいるんだけど……?」
「あ、忘れてたわ」
「ひっでぇ!言葉さんもこいつになんとか言ってくれよ」
「……」
この人……誰でしたっけ?直君のお友達なのは覚えてるんですけど……
「ガン無視こたえるわぁ……」
「紡……?もう少しこいつにも……」
「や、です!私の言葉は直君だけが聞いてくれたらいいんですから」
「まぁ、わかってたさ……お邪魔虫は馬に蹴られる前に退散しますよっと。イチャつくのはいいけど、次の授業、遅れるなよ〜?」
「おいっ、ちょっと……?」
「2人きりですね、直君?」
「まったく……しょうがないなぁ紡は……」
「へへ、それほどでもないですよ?」
「褒めてないんだよなぁ……えいっ」
「
「いや、紬のほっぺ柔らかいからつい」
「もう!ちゃんと言ってくれたらいくらでも触らせてあげますから、いきなりはダメです!」
「はいはい」
「『はい』は1回ですよ?」
「は〜い」
「ふふっ、楽しいですね?」
「そうだな」
「大好きですよ、直君」
「ん、俺もだよ。にしても本当に変わったよなぁ、紡は」
「直君のせいですからね?私をこんなふうにした責任、ちゃんと取ってくださいよ?」
「もちろんだよ」
と、こんな感じですかね。
直君以外には……これまでと大して変わりませんけどね。
周りからはバカップル認定されちゃいましたけど、構いません。
周りからの評価なんて私にとってはもはや些事なのですよ。
だってね、こんなにも幸せなんですから。
私の声を聞いて、直君が嬉しそうにしてくれるのが一番ですからね。
だから……直君にはこれからも私の想いを言の葉にして紡いでいきますよ!
fin.
無口な紡さんの心の中は騒がしい あすれい @resty
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