ただ者でない者が書く、ただ者でない物語( ;∀;)

僕はこの物語を読んで、まず「ガツン!」とやられました。こんな抽象的な表現でなくキチンと書くなら、僕の想像を軽く上回って、思わず不意打ちを喰らってしまいました。

不意打ち、単純に言えば「ひざかっくん」とかありますが、そんな例えだとお叱りを受けそうなので、「ボクシングのカウンター」で例えさせて頂きます。

ボクシングのカウンターとは意識外の一発です。様々なフェイントやフェイクの戦略、更には体感時間の誤差を産み出したり、誘導やプレッシャーを作ったりと、複雑な仕掛けを行ない、さらにその先に何万回という反復で身体にしみ込ませた「一撃」を正しく遂行出来る、そんな「タフなハート」があって、初めて成功出来るものです。

ではこちらの物語がどうなのかと言うと、まだ第5話の序盤ではありますが、分かり易い表層面からも、「何かある」と伺えるとんでもない気配が物語にざわざわと漂っております。さらに独特なキャラは緩急をつけ、エクソシストという設定上チラホラと出て来る単語や表現が、心惑わす禍々しさを刻んで来ます。

そんな空気感の中で、読者様の意識を越える「物語」を放つのは、筆者様の高い筆力は元より、なによりもその創作において圧倒的に蓄えられているであろう様々な経験値からだろうと思います。だからこそ「一筋縄ではいかない」物語となっているのです。

少し失礼を承知で書かせて頂くと、これは何度も何度も、深く深く、繰り返し繰り返し、もがいてもがいて試行錯誤した人間にしか出せない「タフな味わい」を感じます。だから一見陰鬱になりそうな物語が、重くなり過ぎず適度な明るさを保っておられるのです。僕はそれを希望と呼びます。

お勧め致します。

例えるならこの物語の1000文字の裏には、10万文字以上の深みが軽く宿っており、だからこそある程度の経験則で物語を捉えられる読者様の予測すら上回る、そんな想定外な不意打ちが今後も多く生まれて来ると僕は期待せずにはいられません。

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)

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