神は言う「ただ耐えろ、キレるな」と。なぜならば…

時はフランス革命時。王政という旧いシステムが崩壊を迎えたころ。
これは、時代と運命に翻弄された姫君が「失われたもの」を取り戻す物語。

革命軍に家族を殺され、自らは塔に幽閉され…そのくせ時流が変わったから、お前だけは助けてやるという世相の気まぐれっぷり。
これがもし創作の主人公であれば「許さん、必ずや世の中に復讐してやる!」と血の涙を流す境遇だったでしょう。

ところがこの主人公はそうならなかった。
家庭教師役のエリイが発声練習の最中「まったく別のこと」も姫君に教え込んでいたからです。それは生きていく上で必要な真理。

復讐なんぞお止めなさい。神や運命を呪うのも止めなさい。
愛を疑うのをよしなさい。許しから得られる未来もある。
そうすればきっと大切なものを守り抜くことができる。

起きた惨劇を思えば、それは到底受け入れられぬ綺麗ごとなのですが。

はたして悲劇の姫君は真摯な忠告を受け入れ、新しい一歩を踏み出すことが出来るのでしょうか?

激動の時代だからこそ、そこを生き抜くヒントを欲する貴方へ、お勧めです!