三十年を経ても、変わらない想いがあった。

 主人公の女性は、男尊女卑の中で育った。就職していたが、父の道具のように扱われ、見合い結婚して、会社も辞めて専業主婦となる。夫と一人息子との関係は、冷え込んでいる。夫の家庭もまた、男尊女卑だったからだ。もう限界だと思った主人公は、部屋で電話をかける。三十年前から関係が途切れていた女友達は、すぐに電話に出てくれた。
 主人公は女友達に会うために、海の近くの土地に降り立った。そこには、三十年前から変わらない笑顔を浮かべる女友達がいた。男に混じって働く彼女。一方で、擦れ切った自分。主人公は、三十年前の出来事を、女友達に謝ろうとしていた。

 忘れ得ぬ三十年前の出来事。
 何故、二人は離れ離れになってしまったのか?
 果たして、主人公は希望を手にすることが出来るのか?

 是非、御一読下さい。