「死にたい」の麻薬で生きていく

誰からも認められも排除されもしなかった二人が「今日も」自殺する話。

低い温度感の心地よく荒れた灰色な作品でした。

死が救済となる世界観の描写は、現代日本をある視点で切り取ったものなのかなと思いました。彼らのような生き方に対する共感、諦観、同情、羨望。それぞれ置かれた状況によっていろんなことを思うのではないでしょうか。

書き出しと最後の一文が印象的。本来伝わりにくい彼らの生き様を、あえて筆者様自身の言葉で、読者を信頼して表現している。とても洗練された文章です。