異世界を舞台に鋼の巨人がぶつかり合う

魔刃騎甲と呼ばれるロボットの存在する世界。
今は停戦しているとはいえ、千年に及ぶ戦いが繰り広げられてきたこの地で、リリィを隊長とする部隊の奮闘が描かれます。

本作で特出すべきは、魔刃騎甲の描写。
見せ場となる戦闘シーンはもちろん、設定の説明や整備の様子といった、場合によっては簡略化されかねない場面でも、地の文で、登場人物の言葉や様子で、魔刃騎甲がいかなるものかが事細かく書かれています。

ロボットなんて架空のものです。ましてや異世界ですから、細かいことなんていざとなれば、魔法でなんとかできますの一言で片ずけることだってできるのです。
しかしそこをあえて濃く描くことによって、設定の深みやこの世界におけるリアリティが、そして何より、作者様のロボットに対する思いが読む人に伝わってくるのです。

かく言う自分もロボット好きなので、この描写には大満足。
魔刃騎甲の活躍、これからも追っていきたいです。

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