第5話

 ぼくは草原の上に立っていた。

 遠くには灰色の石でできたような壁が見える。


 衣服も現代風ではない。腰にはナマクラよりマシであろうショートソードがぶら下がっている。


 アルファテストで培った経験を元にぼくは言葉を紡ぐ

「アイテムリスト」


 初級ポーションが10本と煙草とマッチか…煙草とマッチを虚空から取り出し、煙草に火をつける。今後コイツ煙草は手に入るんだろうか…。




空はあいにくの曇天だ。

曇天の空を見上げながら煙草を吹かす。



ぼくの人生はここで終わった。」






ぼくの人生はここから始まる。」






「さて、クエスト仕事の時間だ。」






彼はままならない人生を終わりにするための一歩を踏み出した。

もう一人の彼はままならない人生を終わりにするための背中を押してあげた。

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未来、いつかあるかも知れない日常 JN-ORB @jnoob

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