昭和軍人。作家。昔の淡い思い出。手に傷。それは、統吾が、あやまってつけてしまった傷。その傷は、目印となるであろう。どこかの戦地で死んでも、自分だとわかるよう……。直接的なエロスは、何も描かれていないのに、こんなにも艶が文章から香り立つ。どこか背徳的な、ひそやかな、ブロマンス。忍び込む、死の気配……。ショートでありながら、たっぷりと、この作家さまの魅力を味わえる力作です。面白いですよ。ぜひ、ご一読を!
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