ドグラ・マグラ感想
黛 美影
超省略あらすじ・感想
ドグラ・マグラのあらすじ
主人公は記憶を失っていた状態から始まります。精神病棟に入っていて、隣の部屋には主人公の妻であると自称する患者が入っています。若林先生と言う法医学者が主人公を訪れ、記憶を取り戻す手助けを前任の精神科医の正木先生に頼まれていたため、主人公に接します。そこで主人公、重要な研究対象の患者であること、母、結婚予定の従姉妹である嫁を殺した犯人「呉一郎」であるかのような扱いを受けます。正木先生の残した論文やインタビュー、呉一郎の周りの人の供述、正木先生の対話を通して真実に近づいていきます。呉青秀という画家が昔、絵巻物に妻の死体の絵を描き記しました(その為に妻を殺したり、他の女性を襲ったりした)。その巻物を見ると呉家の男は狂ってしまいます。その巻物を正木先生によって見せられた呉一郎は狂って、殺人事件を犯したのでした。この呉一郎の母親は若林先生、正木先生両方と付き合ったことがあり、呉一郎は正木先生の子であることが分かります。若林先生、正木先生の両方は長年のライバルで巻物目当てで呉一郎の母親に近づき、研究を完成させようとしました。正木先生との対話を終えて、巻物を主人公は広げたまま、精神病棟から逃亡し、正木先生は自分が子供を研究対象にしたことや呉一郎が再び巻物をみて暴走したことから自殺してしまいます。呉一郎も自殺してしまいます。主人公は呉青秀の姿を自分の中に見つけ(絵巻物を見た発作を起こした?)物語は最初に続く形で終わります。
以下考察
私の正体
呉一郎ではないと考えました。理由は呉一郎は自殺しています。正木先生が「呉一郎の、、、」と言うセリフがあり、呉一郎の子であるかと考えました。この呉一郎の子供は作中の胎児の夢の研究対象で、大きくなった主人公が心理遺伝から自分を呉一郎と勘違いしていると考えました。隣の人は許嫁、もしくは若林先生の命令により呉一郎の許嫁を装った別人で、もし、本当に続きがあるならこの呉一郎の子供は発作を起こさなければ(殺人さえ犯さなければ)、若林先生や、正木先生の話が正しいと仮定するならば精神病棟から本当に退院して、隣室の人と結婚生活を送っているはずです。呉一郎が
主人公なら退院なんてできるはずがありません。例え、発作だとしても3人以上手にかけてる事になる為、若林先生も流石に呉一郎を助けることは困難で処刑が実行されてもおかしくないはずです。
感想
ストーリーの部分や、人から聞いた話の部分は比較的面白くて読みやすかった。脳髄はものを考えるにあらず、胎児の夢、などはストーリーに大きく関係するものの、ストーリー自体は進展せず、正木先生による論文(レポートに近い)部分は他の部分に比べて読みづらかった。ミステリーとしてはあまりにもフィクション要素が強いのでリアルなミステリー、サスペンス要素をもとめる場合には向いていない。また、現代科学に完全に否定される部分も多くある。
この本は作中作品のような扱いを受けていて、それがあまりにも賞賛されるからそれは夢野久作の自己評価であると考えた。
精神病を取り扱っていること、グロテスクな要素があるため、精神病を患う人に勧める内容でないことは確かだが、精神に異常をきたすものではない。精神に異常をきたすと言う謳い文句を知っていても、実際に読んだことがある人が少ないと思う。実際に私もそうだった。気になった人は是非、読んで見るべきである。青空文庫という著作権が切れた本が無料で読める。私もここからよんだので、是非読んでみて欲しい。
ドグラ・マグラ感想 黛 美影 @midorineko
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