麒麟も老いては駑馬に劣る

小説を通して、互いを理解し、優しさのかけらを磨いていく様を魅せられた。

「膨らみかけた花のつぼみ」名前のわからない花は、結局名前はわからずじまい。
ただし、わからないことから、なぜ自分が受賞したのか、なぜ文芸部に入ってしまったのか、と自問をくり返す流れにつながっている。
何気ないものに意味をもたせ、合わさり、最後は解けて花開く。
実にいい構成である。

本作品は、カクヨム甲子園に参加する高校生を読者として、意識して書かれたに違いない。
誰に読んでもらいたいのかを意識して作られているところも、感服する。

個人的には、遠藤さんが気になる。
作品を読んで批評し、のちに校正もしている。
こういう人と仲良くなりたい。

二人が「またね」と口にして別れた後、わかりあえた二人はもうこれっきり会えないのかと心配したのだけれども、意外にはやく、あっさりと再会できてよかった

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