天は人の上に人を作るし、人の下にも人を作る

 福沢諭吉が書いた「学問のすゝめ」には「天は皆平等に人を作る、差が生まれるのは勉学の努力だ!」って残してますけど、実際にはそんなはずがなく天才はいます。
 自分の人生の中でも、「ああ、こうゆうやつが天才なんだろうな」って思うやつには、何回か出会ったことがあります。

 このお話は、そんな天才二人に出会った凡人のお話。

 追いつけない才能の差。ただでさえ差があるのに、向こうも同じだけ努力すれば、凡人の自分が追い付けるはずがない。その事実に打ちのめされて、自分は『好き』なだけで良いと諦める主人公。
 しかし、自分の『好き』で負け続けるのに、『好き』を止めない、折れないのは、きっとそれも才能である。
 『ボンジン』には、そこに立ち続けられるだけの気力はない。

 この物語の主人公へ向けて、そして、これほどまでに素晴らしい物語を残した作者へ向けて、この言葉を贈る―――
                   ――――「天才はいる、悔しいが」

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