神に愛された乙女が識るもの

新しき王を迎えた国、アニロンに落ちる不穏な影を匂わせた、「赤い縞瑪瑙のツェタル」の前日譚的短編です。本編の導入としても楽しめます。

神に見初められたラマナの、仲立ちとしての心持ち、達観した物事の捉え方。彼女を通して、大龍女が見せる深く仄暗い愛の一端を垣間見たような気持ちです。
本編で王センゲが辿った道を、神々はどう見て、どう在れと思ったのか……。気になるところです。

短いながら心を掴む良作でした!