最終話   血の海水浴場

「ああっ!翠っ!!」

あまりの出来事に蒼は狼狽える。



『蒼クンのせいだよ~? 翠チャンの手首、取れちゃったね!』

男は蒼のせいだとばかりに言葉を並べる。



「ぐふぅー、ぐふぅー」

蒼は唇を噛み締め過ぎて血をにじませる。


「蒼っ!頼む・・スイッチを押せ・・」

九郎は蒼に懇願する。




『蒼クンが決断しやすい様にカウントダウンしようか?

じゃあ~、   5、 4、 3、・・・』



---   ---   ---   ---   ---   ---



『菜々チャンが決断しやすい様にカウントダウンしようか?』

スイカシーツ女は菜々に対して呟いていた。


白黒テレビに「九郎の手首が無くなっている」姿が映っていた。




---   ---   ---   ---   ---   ---   



双方でカウントダウンが続けられる・・・


『・・・3、 2、 ・・・・1 」



「うわああああああぁ!!!!」

『ああああああああぁ!!!!』



蒼と菜々は・・・



スイッチを・・・・・ 




         「『 押した。 』」




「ありがとう・・そして、すまない…あブォ」ドガッ!

『ごめんなさい・・・なダァ』ドガッ!



九郎と翠の頭にクレーンが振り下ろされたのだった・・・




---   ---   ---   ---   ---   ---




・・・数日後



蒼と菜々は病院のベッドで目を覚ました。



家族から聞かされた話では、

蒼達四人は海水浴中に溺れてしまい

蒼と菜々は助かったものの・・・


九郎と翠は溺れて亡くなったという内容だった。


二人共、頭部の損傷が激しい状態だったらしく。頭を岩に激しく打ち付けた様な状態で発見されたのだ。






・・・西瓜村では、


「今年も西瓜村出身の二十歳の男女」が


海水浴場で亡くなる事故が起きた。


・・・例年の様に。


   



(終)

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西瓜村の血の海水浴場 試される大地 @tamesare

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