第6話 チェーンソー
白黒の古いブラウン管テレビに映し出されているのは、
蒼の恋人の翠だった。
『回りくどいのは嫌いでね。まずは、またデモンストレーションと行こうか。』
男がそう言うと、
白黒テレビに映っているスイカシーツ男達が動き出した。
一人は大きな鉈、
別の一人はチェーンソーを持っている。
「やっ、やめてっ!」
いつも冷静な翠が当然ながら取り乱す。
だが、
スイカシーツ男達は翠の手を強引に開き固定し、
おもむろに鉈を振り下ろした!!!!!
ザンッ
という音と共に、翠の人差し指が強制的に身体から分離されたのだった。
「きゃあああああ!!
痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃ!!!」
翠の泣き叫ぶ声がテレビの中から聞こえてくる。
「やめろおぉぉぉぉ!!!」
大声で叫ぶがスイカシーツ男達は微動だにしなかった。
その中には九郎も・・・いた。
「蒼!早くスイッチを押せっ!」
冷静な様子の九郎だが、その目には様々な葛藤が伺える。
『どうかね?スイッチを押してもらえる気になったかな?』
喜色の漏れる声で男が口を開く。
「頼むからやめてくれ、オレならどうなってもいい・・・。」
蒼は懇願するような気持ちで訴える。
翠がこれ以上酷い目に遭うなどとても堪えられない・・・。
『う~ん、まだ理解していない様だね?
蒼クンがどうとか、我々は全く興味が無いんだ。
スイッチを押してくれればいいんだよ?』
男は蒼の懇願には興味を示さなかった。
『ふう~ 仕方ないねぇ~
じゃ、テイクツー!行ってみようかな?』
男の言葉に反応してブラウン管の中のスイカシーツ男達が動き出す。
「これ以上はやめてくれっ!!」
それを見た蒼が焦り出す!
男達は意に介さずに動き、
今度は「翠の手首」を固定した。
チェーンソーを持ったスイカシーツ男が翠に近づいて行く。
「やめろーーーーーー!!!!!」
「ぎゃああああああああああ!!!!!!」
チェーンソーの唸る音と共に・・・
翠の手首は身体から切り離されたのだった・・・。
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