月華は退屈を照らす

大学二年生の夏、漠然とした不安を抱えながら、昨日の繰り返しを続ける毎日。
高校生の時、当時付き合っていた彼女に「君は友達だった時も恋人になっても何も変わらないね」そう言われたことで恋愛と人間関係に消極的になってしまった彼は日々の生活でも打算的に「感情」をコントールするようになってしまう。
不安を拭いたいがため同じ軽音サークルの女性となんとなく付き合いだした。
昔言われたようなセリフを言われ彼女は家を出て行ってしまった。
追いかけようとも思ったがどこ行ったのかも検討もつかないため家の近くの川沿いをただ散歩することにした。
8月の末、月明かりに照らされた少女が月を見上げて何か唱えていた。