転生するみたいだよ?

「過ごすことができると思うわ。ベティーの転生先はエンシェントスライムだから、分身体を作って人格を移せばいいのよ」

 スライムってあの? 強いって表現される小説も多いけど、弱いって表現される小説も多いんだよね? 僕の記憶じゃないから、あってるのかなぁ?

『えっ、スライムなの? 人型になれる魔物がいいんだけどー』

「スライムは変幻自在の体を持つから、人型になれるわよ? 変形スキルのレベルを最大まで上げなくてはならないから、人型になるスライムはいないけれどね。転生先のエンシェントスライムはカンスト済みだから、すぐに人型になれるわ」

 人型になれるんだぁ。ベルちゃんも人型がいいみたい。スライムの姿も面白さそうだけど、人型で過ごしたいと思うよね!

『それは嬉しいけど、それよりもさー。カンストって知ってたんだねー』

「知ってるわよ? 日本の管理責任者として、覚えないといけないのよ。他国の管理責任者を案内するときに、なぜか聞かれるのよね。前はアニメを覚えるだけで良かったのだけれど、最近は小説からアニメになることも多いでしょう?」

『そうだねー』

「最近の小説はゲームを題材にした物語も人気なのよ。その小説がアニメになることもあるから、そういう知識を覚えることが必須なの」

ゲームを題材とした物語かぁ。読んでみたい。違う世界に行くなら、読めないよね。残念だなぁ。

「母さま、大変なんだね」

「大変よ? 管理責任者になったのは、間違いだったのかもしれないわね」

『そうかもねー。母さまって慕ってくれるべアーティに会えたんだから、いいんじゃない?』

「そうね、ベルの言う通りだわ。ベティーに会えたことで、苦労が報われた気がするわ」

『ちなみに、私は死んでよかったと思うよー。べアーティに会えたからね』

そういうことは、本当に思ってても言っちゃダメ! ベルちゃんは死んでいい人じゃないんだもん。

『べアーティが優しいよー』

「ベティーは本当に優しい子ね」

「そんなことないよ? 悪い子には、お仕置きするんだもん!」

『お仕置きってー?』

「えっ? えっと……考えてなかった」

悪い子にお仕置きしたことないんだから、しょうがないじゃん! それだけでいい子になるなら、ベルちゃんだっていい子になるでしょ?

『考えてないと思ったよー。べアーティがお仕置きの内容を考えてたら、ショック受けちゃう! 私はべアーティと違って、悪い子にお仕置きしたことあるよー』

「泣くほど辛いお仕置きばかりだけれど、私もあるわよ。ベルを壊した管理者にも、お仕置きしておくわね」

『辛いお仕置きをお願いしまーす!』

「ベルに言われなくても、そのつもりよ」

ベルちゃんを傷つけたんだから、辛いお仕置きじゃないと許せない! ベルちゃんが報われないのは、絶対にダメなんだから。

「本当に良い子ね」

『ほんとねー』

いい子じゃないと思うんだけどなぁ。でもね、もう分かったんだ。母さまとベルちゃんに反論しても、意味ないってこと。

「ふふっ、良く分かったわね?」

『誰がなんて言おうと、べアーティはいい子なんだよー』

ほら! 諦めるほうがいいでしょ? 悪い子の定義が分からなくなってきたよ。悪い子って、なにをしたら悪い子になるんだろうね?

「よく考えてみると、悪い子の定義は難しいわね」

『確かにー! 悪い人だったら、考えようあるんだけどねー』

「ベルの言う通りね」

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エンシェントスライムちゃん ~カンスト済みエンシェントスライムに転生したよ?~ 叶織 @ka-na-o-ri

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