道の駅によっていこう
「おっ、道の駅だよバイすけ」
山を降り、駐車場スペースから見えた大きな水車へと向かっている途中で晴菜々さまが道の駅を発見いたしました。自然とハンドルもそちら側に向いてゆき、どうやらよってみるようです。
「道の駅ってなんかワクワクするよねぇ。ついでにお土産も見ていこっかなぁ。フンフフフ~ンフン♪」
既に言葉の端々から楽しげな様子が伺えます。道の駅の真ん前にちょうど駐車スペースが空いていたのでそこに駐車いたします。
「へ~、ここはこんにゃくが有名なんだねぇ。立て看板で宣伝してるう」
晴菜々さまが言うように道の駅の店舗に入る前の店先には多種多様な立て看板が並べられており、その中にこんにゃくで作られた商品の宣伝されておりました。
「おぉ、ラーメンとか素麺もこんにゃくでできてるんだ。こんにゃく用の酢味噌も売ってるんだね。え、猪肉の焼肉定食てなにッ。奥に食堂もあるからか、んん、七種類の薬味で食べる卵かけご飯てなんだろう。うわぁ気になるなぁ」
お土産のこんにゃく商品以外にも食堂のおすすめメニューの立て看板に目を引かれ、興味が尽きないご様子です。では、ついでにここでお食事とでも?
「いいやダメダメ、ご飯は教えてもらった
そうでした、お蕎麦を食べると決めておいででしたな。しかし、食堂以外にも食べもの誘惑はいっぱいのようです。
「この匂いなんだろう。牛すじの煮込みっぽいような……あれ、手作りのおにぎりに天ぷらとか唐揚げも売ってる。てことは、この煮込みっぽい匂いもお店の手作り……ぁ、ソフトクリームの看板も小さいけど見つけた」
ふむ、このご様子はお蕎麦はお諦めになりますでしょうか。
「いや、絶対にお蕎麦を食べるからねッ。ゆ、誘惑に負ける前にお土産買ってすぐに退散するよっ。待ってなバイすけっ」
ほう、どうやらお蕎麦を食べる決意は固いご様子。晴菜々さまは私から降りると早歩きで店舗へと向かってゆき、その途中にある大きな丸石が水の力でクルクルとゆっくり回転しているオブジェクトを見つけ「うわぁ、どうなってんだろこれッ」と意識がそちらに引っ張られ、しばらくスマホをパシャパシャリとして動かなくなり、また売店の方にフラフラと意識が引きずられてゆく様子に、私はここでお食事となりそうな予感がいたしました。
「くっ、お蕎麦、お蕎麦を、食べ──うぃぃぃ美味しそうだなぁ……」
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