作者さまは、日々をいきながら、自分のなかのひえびえした部分に背をあわせながら、ことばのちからで世界のやさしさを探しているように感じました。そのやさしさが、作者さまに届いたのかどうかは、わかりません。
それでも、わたしには、ほしぼしの幾千億のきらめきが、路傍の葉のうえのちいさないのちが、やわらかな雨粒が、食卓のうえのあたたかい湯気が、まぎれもない世界のやさしさの中央に、作者さまがおられることを示していると、感じられるのです。
ですから、わたしは、おしらせしたい。
指は、とどきましたよ、と。
求めてやまない、終局点に。