これ手を入れたら書籍化出来ると思うので、どこかの出版社お願いします。

デスゲーム配信アプリPopping Redの設定自体は面白く、極限の状態に置かれている園子と彼女のために祈るあこのオフビートな語りが独特な読み味の感動をもたらします。最後の一文がなんだか無性に泣けるんですよね。ああ、そうか。あこは園子が好きなんだな、と伝わってくるというか。だからこそもっとPopping Redの設定周りやゲーム自体を詰めたらもっと面白くなると思うので、できれば40000字くらいの短編に膨らませたものを読みたい。恐らく作者の方の力量なら百合版平山夢明のようなものが出来上がるんじゃないでしょうか。だとしたら多分金脈になるでしょう。この設定で一冊分連作短編にしてどこかに応募してください。


(カクヨム公式自主企画「百合小説」/文=斜線堂有紀)