ただの番溺愛物語とは一線を画する愛憎劇

主人公エーファは、婚約者への愛ゆえに「番」に絆されず当初の目的を忘れなかった心身ともに強い女性です。ほとんどチートじゃないかと思えるぐらいですが、感情がすぐに態度に出てしまうとか、治療魔法が使えないとか、欠点もあります。これらの欠点は、彼女自身にとってはマイナスなんでしょうけど、読者からすると、彼女が神がかったキャラに見えずに済み、帰って親しみやすく感じます。
物語が進むにつれて実に多くの登場人物(獣人も竜人も)が愛に狂って狂わされて死んでいきます。最早、番の呪いを越えた愛の呪いです。
テンプレ番溺愛や主人公無双以外を読みたい方に特にお勧めします。
レビュー執筆時点で最新話は第12章の最初の方ですが、章タイトルの「愛が蘇る時」の愛が誰へのものか、続きを楽しみにしてます。