概要
橋の上で死を妄想する
小説家になろうにも投稿しています。
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- ★★★ Excellent!!!僕らの重さがもうすこし軽ければ
「呑気と見える人々も、心の底を叩いてみると、どこか悲しい音がする」
漱石は明治の頃にこう云ったけども、この言葉は現代の僕らにも深く通じている。生きることの重みというんだろうか、そういうのが僕らにはあって何故だかずっと肩がこり、不意に投げ出したくなる。それはたとえば電車の待ち時間であったり、飛行機から眺めた地上の広大な平野だったり。溜まった何かが欲望して、全部終わらせてみたくなる。
本作はそういう瞬間、ふいに投げ出したくなる瞬間を描いていると僕は感じた。しかし描くといっても簡単なことではなくて、本作の秀逸なところは「描く」ということができているところだと思う。
まず言葉が繊細で、一語一語…続きを読む