第4話
「どうするのよ」
「帰られないかもしれないな。」
アリーは少し焦っているようだった。
「みんなで探すしかないわ」
そういうと色々な部屋を開けて探した。
するとある小さな部屋に優しそうな髭の長いお爺さんの絵が真ん中に置いてある部屋があった。その部屋の片隅に杖が置いてあった。
「見つけた。」
そう言って私は杖と反対方向の布をめくった。するとそこにはカンナがいた。
「あなたこの部屋で泣いてるのね。この人はリアムサンダー様でしょ。あなたと杖の持ち主ね。」
今日の授業で出てきたリアムサンダー様。彼は20年前に寿命で死んだと教科書に書かれていた。最後の弟子は女の子、そして杖はものすごい力を持ちそしてその力は恐れられていた。
ぐすん……。彼女は泣いていた。
「リアム様を待っていてここで暮らしているのね。」
「リアムは帰ってこない。よからぬ奴らが私から大切な思い出の杖を奪いにくるんだ。その度に遊んで彼らを術にかける。君だけだよかからなかったのわ。そしてみんなに魔法をかけて返すんだ。」
「ねえあなた私の友達の家に来ない。その杖を持って。私の友達は私と入れ替わっているわ。認められたくて頑張って魔法に失敗したの。」
「ゲームに勝ったら杖をくれる約束だったけど、杖はその子の母に見せてくれるだけでいいの。そして今度はわツィの友達になりましょう。あなたはここにいるよりみんなと共に過ごしたほうがいいわ。だってリアム様はいつも人に囲まれて暮らしていたでしょ。あなたにもそう願っているはずよ。」
そういうと女の子は大きな声で泣いた。ここ20年受け入れられずに苦しんでいたのだ。杖を手放したくない手放したいどちらの思いにも挟まれて。
私は魔法本を手に取り天気の魔法を空に向かって窓からかけた。
「サンスプライズ」
そうするとみるみる天気が晴れていった。他の部屋にいたリチャードやアリーも騒ぎを聞きつけて部屋に入ってきた。
私たちは女の子を連れて帰ることにした。
女の子は歳を取らないらしくずっとこのままらしい。
帰りはリチャードが鏡を開くと一瞬で帰れた。
するとそこにはお祖父さんが立っていた。
「バカもん危険を冒しよって」
そういうと私たちを抱きしめた。そして私たちの後ろの女の子にびっくりしていた。
「おまえさん生きとったんか。」
そういうとその子も抱きしめた。そしてその子の杖を見て早くこっちにくればよかったのに。と呟いた。
後から知った話だが、リアムは最後にあったおじいちゃんの兄弟でこのおじいちゃんはグラン様でリチャードのお祖父様に当たる人物だった。
その後女の子はグランが連れていった。なぜなら兄弟の弟子だから私が面倒を見ようと了承してくれたからだ。
家に帰るとママが待っていた。
「この心配かけよって。」
そう言ってママは私を抱きしめてくれた。私のママじゃないんだけど嬉しくなった。私が杖をみつけた話はグランに聞いたという。
「もう心配をかけることはするな。」
と厳しく言われたがよくやったと褒めてくれた。でも家庭訪問が終わると学校のことで怒られたんだけどね。
最後の日の家庭訪問を終えると鏡の中に私が立っていた。
「ゆうかちゃんどうだった。私のために頑張ってくれてありがとう。これから友達だね。」
そう言って目を覚ますと私の部屋だった。帰ってきたのだ。
夢のような数日だったなと思い出した。
これから先よくあちらの魔法の国に行くのはまた別のお話。
小さい魔女はこれからです! 西園寺 椿 @beau_sakura10
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