難しいなあ。

青いバック

あ〜難しいなあ。

 物語の構想を思いついた。だけど、形に出来ない。言葉が陳腐で読者の心を射抜けない。難しい。


 頭の中では世界屈指の名作が生まれてるけど、いざそれを文字に起こしてみたら駄作でさ、それで自分には才能がないんだってウジウジして殻に閉じこもって、これが一番無駄なんだって私はわかっている。わかっているけど、無駄なことをしてしまうのが人間であって私なんだ。


 もちろん、自分の子である作品は心から愛してやんでない。誰も作品を愛さないのは可哀想だし、自分が頭を痛めて吐き出した作品なのだからそりゃもう溺愛してる。でも、それは自信と作品が他者に愛されることとは比例しない。


 いい作品を生み出せないのは力不足なのは、重々承知済みだ。承知済みだからこそ苦しいのだ。いくら手を動かしても、頭を動かしてもいい作品が生み出さない。


 人によっては、それこそが努力不足だと言うだろう。私だってわかってる。いい作品を生み出せないのはイコールとして努力をしてない、ということになるのは否めない。血を流すほどの努力をしているのか、と問われたなら答えは違うと言うしかない。私は自分のやれる範囲の努力しかしてない。人によっては、努力とも呼べないような範囲かもしれない。でも、それが精一杯やれることで体を壊さない範疇なのだ。


 難しい、本当に難しい。どうやったら、どう工夫したらいい作品が生み出せるというのだ。思考を巡らせて、一考えたら十考えて、十考えたら百考えて、そう頑張ってはいるけどその先は暗闇街道で安定しない足場を踏み外さないように必死に歩いて、落ちそうになっても食いついて、そうやって私はずっと頑張ってきた。これからもそうやって頑張っていくのだろう。


 他人がどうとかじゃない。あの人が凄いからじゃない。私がどうありたいか、これが一番重要なのだから。


 私がいつか、あの人になりたいと思われる星になる時までは難しいを続けて生きていこう。

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