10 LGBTQ+のリアリティ(2024年版)

企画名:LGBTQ+のリアリティ

概要:https://kakuyomu.jp/user_events/16818093078402117337

開催期間:2024/6/1〜6/8


 昨年に続き、今年もこの企画を立てました。


 作品ジャンルタグとしてBL、百合、TSなどはあり人気ジャンルではありますが、そこで描かれるシチュエーションや展開は一種のファンタジー(都合の良い、勝手な空想)だなと思うこともしばしばです。

 悪くはないです。そういうのを気楽に摂取したいときもあります。でもそれらの作品で培われたイメージのまま現実の状況や人々を解釈されたらちょっとなあ、とその辺が心配になったりもします。


 この企画では、よりマイノリティ側の実感がこもっているかのような作品を募集しました。


 昨年ご参会いただいた作品にまた再参加していただけたり、この一年に新たに書かれた作品もエントリーしてくださったりと、満足できる企画となりました。

 このような題材を取り入れて執筆した作者の皆様に敬意を表します。


■参加作品リスト(終了時点)

https://kakuyomu.jp/user_events/16818093078402117337?order=published_at#enteredWorks

各作品のキャッチコピー、あらすじ、タグなどはこちらからご覧ください。


――――――――――

凡例

#参加順

作品名/作者名

作品URL

――――――――――


気まぐれに一言感想がついている場合があります。

でも参加作品すべて、(期間中とは限りませんが)1話以上拝読しています。


#2

STARTING OVER/烏丸千弦

https://kakuyomu.jp/works/16816452219415012013

(一言感想)

メインの登場人物には得も言われぬ愛嬌があって、そこが魅力です。


#3

クピドの虫籠/黒月水羽

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890580710


#4

髪の長い女/千織

https://kakuyomu.jp/works/16818093073016635922


#5

おねーちゃんが好き/ヤケ酒あずき

https://kakuyomu.jp/works/16818093074730525470


#6

【完結】紺野さんとあきちゃん/金星タヌキ

https://kakuyomu.jp/works/16817330657967560131

(一言感想)

思春期特有の、気持ちが先走っちゃったりする心情がとても可愛らしいです。


#7

ふたり乗り/下東 良雄

https://kakuyomu.jp/works/16818093076166951894

(一言感想)

誰かを好きだ、気に入っているという気持ちを抱いたとき、それをすぐさま恋愛という箱に入れなくてもいいんじゃないかな?と問う作品。作者様には機会があれば#20を読んでみてほしいかも。


#8

硝子少女/koumoto

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892987824

(一言感想)

思春期らしい、承認欲求の脆さを描いた作品。


#9

一方通行の親友/ゆ〜

https://kakuyomu.jp/works/16817330667660477796

(一言感想)

一方通行状態なのはどっちの方なのだろう? と切なくなる作品。


#10

海神/深川夏眠

https://kakuyomu.jp/works/16816452219319772243


#11

同性愛者じゃないけど貴女が好き/三郎

https://kakuyomu.jp/works/16818093075723777489

(一言感想)

ちょうど連載を開始したばかりの最新作です。ストーリーの行方をぜひ見守りたい。


#12

傷口/理性

https://kakuyomu.jp/works/16818093076764991644


#13

キャズム/明日見 慧

https://kakuyomu.jp/works/16817330655602972830


#14

ふつうの推しでも許せますか/愛衣

https://kakuyomu.jp/works/16817330664580804655

(一言感想)

トラウマを抱えた主人公と、救いになっていた相手との出会い。まだ序盤しか読めていませんが、おそらく恋愛とは違う形で二人は問題を解決していくのでしょう。


#15

つれないね、恋の分からず屋/伊藤東京

https://kakuyomu.jp/works/16818093073506564430


#16

ふうふ見ず知らず/@zawa-ryu

https://kakuyomu.jp/works/16818093075526017582


#17

まだ始まらない物語/凍花星

https://kakuyomu.jp/works/16818093077033668653


#18

キャサリン・スウィート・ドリーム/あおきひび

https://kakuyomu.jp/works/16818023212025251802


#19

青のポラロイド/缶津メメ

https://kakuyomu.jp/works/16817330649845595822


#20

恋と呼べなくても/Cahier(カイエ)

https://kakuyomu.jp/works/16817330665729770251

(一言感想)

ロマンティック・アセクシュアルについてとても誠実に向き合った作品です。できればもっと読まれてほしい。


#21

会社を辞めて騎士団長を拾う/あかべこ

https://kakuyomu.jp/works/16818093072930079420

(一言感想)

設定が面白いです。異世界出身者の国籍問題という意外な側面でもリアルさを垣間見せられました。


#22

夜宵 〜トマトと卵のラーメン〜/ゆげ

https://kakuyomu.jp/works/16817330662283997497

(一言感想)

夜食を作って食べる、という何気ないワンシーンに回想が挿入されることで奥行きが出て、また調理や食事の描写が非常に丁寧で短編映画のような完成度。

昨年のうちに既読でしたが、現在は大幅改稿されているようです。以前よりは両親との確執が掘り下げられた印象。


■所感

 現実の残酷とは言わないまでもほろ苦さを描いた作品もあれば、祈りのような優しさを描いた作品もありました。

 深川夏眠さんの『海神』では、マイノリティであることは作品の主題ではなく背景にすぎず(と私は解釈しました)、つまりそういう属性の登場人物が作品の中にごく自然に存在しているのですが、このぐらいの距離感で書かれるようになってほしいなと私は願います。ただしできれば前述定義のファンタジーっぽくはなく。

 今はまだ、その過程でマイノリティの周囲の人々が葛藤しているか、さらにその前の段階で周囲が葛藤の必要性に気づかないためにマイノリティ側が葛藤せざるを得ないのが実情でしょう。だからそれを伝える作品がまだ必要なんですよね。

 実はゆげさんの『夜宵 〜トマトと卵のラーメン〜』も、以前読んだときは飯テロの方が主題であると感じたのですが、今回改めて読んだら周囲の葛藤の様子がより伝わってきて、そこも人々の評価を高めたのかもしれません。


 今月は後半にもう一度企画を立てようと考えていますが、ちょっと要素をプラスしてみようかなと思います。具体的には、LGBTQ+を扱った作品を紹介しているエッセイなども募集してみたいです。


 また、6月は私と同様にプライド月間を意識した企画を立てている方もいらっしゃいます。(あちらの方が先輩です!)


企画名:第一回プライド月間企画2024

主催者:三郎 さん

期間:2024年6月1日(土)〜2024年6月8日(土)

https://kakuyomu.jp/user_events/16818093078423129366


 第一回は終了しましたが、近況ノートによると以下のスケジュールで続々開催予定とのことです。


・第二回 6月9日(日)

・第三回 6月17日(月)

・第四回


 開催ごとに様々なセクシャリティにフォーカスするようですので、関心のある方はぜひ注目されていはいかがでしょうか。


 当企画を目にしたことで、皆様がLGBTQ+への解像度を高めるきっかけとなりましたら幸いです。


■主催者参加作品

#1

バロック 〜腹黒小悪魔の純愛〜/宇野六星

https://kakuyomu.jp/works/16817330655923846028

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