性のめざめ

 よこちんに興味が出ました。女の子が何も知らないふりをして突っつくその物体が、まるで伸縮自在のミミズのように、笑う少女に詰め寄る慟哭の兆しが、少女の無垢な感覚と男のいやらしい笑みが、交じり合う火と油で決して合わさらない両性の傷ましい性戯を感覚を研ぎ澄ませ、日本語の勢いで描いている、目に飛び込む視覚的な効果が、功を奏している。しかし、よくよく想像してみれば、不快なのだが、それを感じさせない少女の演技が、震える冗語にまじり合って、緊張感をはらんでいる。何とか逃げようとする少女のもがきが、現実の愚かさを暴き、暴走する男の心理を恐ろしい感覚で描いている。みずみずしい少女を笑うユーモアは時に自暴自棄で、見ていられない。とても面白い作品ですね。