魔女と調律師

遠い遠い、ある森に。不思議な音の鳴るモノと暮らす魔女が住んでいます。
音の鳴るモノは白と黒のスイッチのようなものがたくさんついていて、私が押してみてもただ音が出るだけです。
でも、ひとたび魔女がそれを触れれば、えも言われぬ旋律が流れ出すのでした。
それは、魔法としか言えないような不思議でした。
私はそれを聞いてから、みんなに魔女が住んでいるのだと、そう教えました。
魔女は今日も微笑みながら、私を迎え入れます。