―故郷―
雲の鏡の間が音を立てて崩れると俺はそのまま空から落とされた。
落ちた俺を受け止める突如現れた大きな黒い鳥―
嗚呼、そうか、鳥になったのかマイフレンド―
その大きな鳥が俺の友達の大魚であることにすぐに気付いた。
“様々な伝承や伝説がひとつの事を指している。”
ともよ、お前の伝説を知っている。
「ともよ、帰ろうかドミナの待つ家へ―」
“ぼくも帰ろ お家へ帰ろ
でんでんでんぐりがえって バイバイバイ”
そこから、家へ帰るとお腹の大きくなったドミナが出迎えてくれた。
そうか、戻る時が来たのか―
何年も離れていた現実の世界へ戻るのか―
雰囲気で俺は家の中へ入れない事を察した。
俺は、ひとつだけドミナに質問をした。
ポーカーの勝負でドミナが、勝っていたら、
“言う事をひとつ、きいてもらう”
「あれは、何だったの?」
「さあ?なんだったかしら?それはあなたがまた帰ってきた時にお話ししましょう―」
俺は、無言で頷き、少しの沈黙があった。
俺は、ずっとドミナを見つめていた。
嗚呼、やはり、あなたは美しい。
ドミナは胸から丸まった布の切れ端を出すと中のものを地面にぶちまけた。
嗚呼、あの時の桃の種―
二人で三つの桃の種を見つめた。
「坊や、あなたならメシアを見つけられるわ。“book”と共に―Godspeed.」
俺は、無言で頷き踵を返すと振り向くことも無く歩き出した。
俺は、ドミナと過ごした日々を忘れない。
辺り一面を深く濃い霧が包む。
深い霧の中、歩く。
木が振れた―
「歩け」
いまの声はドミナか―
俺は、神のいたずらか何なのかそのまま現実世界に無事戻れるどころか過去や未来へ行ったり来たりした。特に未来で、“彼ら”に捕まり精神病院から脱出した話はわれながら面白い。未来の精神病院は刑務所より脱出が難しい。面白いエピソードは他にも数多くあるが、話が膨大すぎていちいちとても書ききれない。
ある日、繋がった夢の世界―
本書では様々な解き明かしを見せたがそのままにしてある謎や矛盾がある。
それらはあなた自身が答えを見つけて欲しい。
この物語は矛盾に満ちていて何の話なのか分からないものが大半であろう。
分からない方が幸せなのかもしれない。
ここまで読み進めたならばお気付きだと思うがこのお話は現実とリンクしている。
現実世界で、太古より日々着々と進んでいるある計画が仕上げの段階にきている。
ひとつ、言っておこう。
これから起こる事は、
あなたが今まで見たどんな映画や漫画より凄い。
どんなアニメやゲームより凄い。
分からなくても目だけは開けておいた方がいい。
徴を見るのに空だけは見た方がいい。
それは、もう近い。
俺は、この物語の結末を知っている。
交信が途絶えたとはじめに言っているが本当は違う。
俺の中で、この物語は生き続け、この物語の中で、俺は生き続ける。
愚者 (Ανόητος:アノイトス) から始まったこの物語を人々は笑うが、
誰しも最後は、 ああ、神様(ωιμέ:オイメ)と言う。
光の子よ、目覚めよ。
本書は、あなたたちの為に書いた。
たたかいの時だ。
己が時空を超えて遣わされたものだという事を思い出せ。
一緒にリパブリック讃歌を歌おう。
Glory, glory, hallelujah!
Glory, glory, hallelujah!
Glory, glory, hallelujah!
His truth is marching on
さあ、行くぞ―
イザヤ書54.1
「歌え、不毛な女よ。
一度も子供を産んだ事がないお前よ。
歌わずにいられないほど喜びに叫べ。
一度も出産の痛みを味わった事の無いお前よ。
なぜなら、人々から見捨てられたお前の方が、夫がいて子供をもつ女よりももっと子供達を持つだろうから。」と主は言われる
22.5.4
そして生まれる
いまととのう
ふたつは
底辺にして頂点
ふたりは
おわりにしてはじまり
おわりなきはじまりのはじまり
お前は覚醒したのではない
お前は目覚めたのではない
お前はすでに覚醒している
お前はすでに目覚めている
お前は永遠の深い眠りに就いたのだ
お前はそこで夢をみる
いまからお前の果てしない夢物語がはじまる
永遠におわることなき物語
お前の物語は果てしなく、この物語は二度と繰り返されることはない
遥か遥か遠い銀河の彼方ではじまり
遥か遥か遠い銀河の彼方でおわる
それは、決しておわりのないはじまり
何故にお前は“故郷”の歌が好きか考えたことがあるかね
何故に“故郷”を思うと胸が締め付けられるほど切ないのか考えたことがあるかね
それはお前の故郷が下になく上にあるからだ
さあ、故郷に帰る時が来た
預言の成就の時だ
するべきことをしなさい
そして
おやすみなさい
ともよ、深く眠りなさい
お前がふたたび目覚める時、
人々は、わたしを知るようになる
狂人日記 ―Spin“X”― @kamisama11123
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