柔らかく、美しい文体で紡がれる青春ミステリー

主人公の﨑里裕佳子は母を亡くし一人、九州にある高校へ転校することになります。早朝、転校先で見かけた弓道をする""袴の彼'"、そして弓道部の川野を初めとしたクラスメイトと出会います。
しかし、川野には""袴の彼'"の心当たりがないどころか、その姿が見えない。""袴の彼'"が誰なのかを探るにつれ、川野の抱えている秘密が明らかになる。

心理描写、情景描写がしっかりとしていて、読み進める中で未熟ながらもまっすぐな主人公に惹かれました。また、""袴の彼'"の謎を軸に、主人公がクラスメイトや大人と交流し、成長していくのも本作の見所です。

どこか懐かしく、美しい文章で紡がれていく物語でした。拝読させていただき、ありがとうございました。

その他のおすすめレビュー

リオンさんの他のおすすめレビュー75