第5話 曇そら 前編

5月31日 (火曜日)

「そういえば、2人は昼休みどこに行ってるの?」

 天が僕らに聞いてきた。


「近くの公園だよ」

「そうなんだ。暑くない?」

「それがそうでもないんだよね。屋根付きのテーブルがあるから日が防げるし、外だと風も気持ちいいよ」

「えーいいな!今度行ってみたいな」

 天が羨ましそうに目をキラキラさせながら言う。


「いいじゃん、来なよ。キャッチボールもしようよ」

「するする!めっちゃ楽しそう。ひーちゃんも誘って行ける時に行くね」

「おっけー。そういや、今日ご飯どうする?」

陸が聞いてきた。


「昨日の親子丼美味しかったよねー、 今日は何にするの?」

天も陸に続けて聞いて来る。


「うーん。麻婆豆腐とかどう?」

「え!めっちゃいい。それにしよ!」

 天が元気よく答える。


「あり」

 陸がいつものように答える。


「とりあえずスーパー行くかぁ」


3人でスーパーに向かおうとした時―――


「天さんを部屋に連れ込むのはやめてください。2人のことだから何もないとは思いますけど」

社員である田山さんが僕たちにふとそう言った。


「そんな悲しい顔しないでください。 ただ、部屋に連れ込むのはやめてください」

田山さんはくぎを刺すように僕たち2人に言い、立ち去った。


突然の禁止命令で僕たち3人は声がでない。

一昨日自炊を始めたばかりなのになぁ。まぁ、仕方がないか。どこでご飯食べようかと2人に聞こうと振り向くと



「私が男だったらよかったのかなぁ」

天は悔しそうにつぶやいた。心からの悲鳴のように聞こえた。


海も俯いていて天と同じように泣きそうな顔をしていた。


今までどんなことに執着したことなかった。自分が欲しかったものでも他の人が欲しそうだったら躊躇なくあげてた。小学校の頃、1番仲が良かった子が転校して行っても次の日には、もう別の楽しいことを探して遊んでいた。


昔から気持ちの切り替えは早かった。けど、あの3人での時間が無くなると思うと悲しい。悲しいより寂しい。寂しいより悔しい。初めて自分の中でも整理ができないくらい感情がとめどなく出てきた。



そうか、3人での過ごすことが大切な思い出になっていた。他では代用が効かないくらい。


 諦めたくない。あの3人の空間を守ろうと僕は覚悟を決めた。




そうと決めればまずは作戦会議を行わなければならない。

と、その前に2人の感情を晴らすのが先だ。


「そんな顔しないでさ、とりあえずファミレス行こ?」


それから3人でファミレスに向かった。向かう途中の2人は終始無言だった。少しばかり気まずい。どうやって元気づけようかと考えていたらファミレスに着いた。


メニュー表を見ていると、特定の物を注文するとお皿が貰えると書いてあった。 自炊を始めてからは僕らは茶碗以外紙皿で食べていた。だから。お皿を貰えるキャンペーンがありがたかった。僕は、それを頼んだ。


「急にダメって言われて悲しいな」

無言な状況を変えようと声に出した。


ようやく天も今の気持ちを口にした。

.

「もう本当に悲しい。 なんでダメなんよぉ」

また、泣きそうな顔で天が言う。


「なんでダメなんやろなぁ。 あの時間好きだったのなぁ」

海が名残惜しそうに言った。


海に関しては、田山さんに注意されて悲しんだ顔を見て少し意外だった。サバサバしている男の子だと思っていたが、そんなことはなかった。僕らとのいた時間を楽しんでいたのが分かって嬉しかった。


禁止令をなんとか解いてあげたいなぁ。


「ギター弾くのもご飯食べるのも2人に戻っちゃうな」

「えーー。なんでそんな意地悪言うの!『皿でーす』」

天に対して軽口を叩いていたら、店員が一瞬たりとも止まらずに皿だけを置いてきた。 あまりにも自然すぎる流れ作業にとてもびっくりした。


「あの店員めちゃくちゃ投げやりやったな」

その様子がとてもシュールで思わす3人とも思いっきり笑った。

田山さんに注意されて以降、初めて2人の元気の様子が見れた。それを皮切りに部屋に行ってはいけないことを元気よく嘆いた。


「あんなに楽しかったのにー!なんでダメなのぉーーー」

「そういえば、 なんで田山さんが知ってたんやろ」

嘆く天に海は単純な疑問を浮かべた。


「確かに。 天言った?」

「ううん、言ってないよ」

「だよねー」

「ただ、ひーちゃんには見せたかな。『見てー、これ昨日陽が作ってくれた!』って。その時後ろに田山さんがいたから写真見えてたかも」


禁止令を解くには情報が足りないと思った。


ます、その壱どうやって田山さんが知ったか。


これは外部からのリークか田山さん本人が見つけたかによって対応が変わってくる。 外部からのリークだと僕らの身の潔白を示せばいい。


24歳男性二人が18歳の女の子を部屋に連れ込む。


字面だけ見たらひどい。周りからの密告であれば体裁に気を付け、歌を歌

っているだけ、ご飯を食べているだけなのをしっかり伝えられたら許可がでる気がする。


しかし、田山さん本人が見つけた場合は一気に難しくなると思う。それは会社の規定で人の家に上がるのがダメなパターンがあるからだ。でも、田山さんの良い方からして規則的にダメな可能性は低いと思った。なぜなら、僕が海の部屋に言ってギターを弾き語るのを知っていたからだ。規則でダメだったら「規則でダメなのでやめてください」と注意をしているはずだ。


もう1つの可能性としては田山さんの個人的な注意の可能性もある。田山さんは天と仲が言い。お気にというやつだ。まるで天を孫のように接していて


「そーらーさん。これお願いします」

とか言って、ポップつくりとか付箋作りとか、表紙つくりとかそれ必要か?と思うような簡単な仕事を割り振ったりもしていた。とにかく他の人と態度が違うのだ。ちなみに瞳と仲が良い清さんになめられている。ため口でよく田村さんに仕事のやり方について文句を言っている。


とにかく、田山さんは天をとにかく可愛がっているので個人の感情で部屋に行くのをやめさせたがっている説もある。ちなみにこのパターンだと会社に問い合わせるとか圧をかけると簡単に大丈夫になる。


その弐、会社の規則でそういったことがダメなのか。


ここがとにかく重要だ。規則でダメだったらもう諦めるしかない。ただ、そしたらなぜ僕が海の部屋に言っているのが許させているかが分からなくなる。ただ、見過ごしてくれているだけなら、今回田山さんに噛みついてしまったら僕が部屋を行き来するのでさえダメになるだろう。


けれど、男同士だから大丈夫ということになればまた話が変わってくる。 天の恋愛対象は女性だ。じゃあ、天が女性の部屋に遊びに行くのは、間違いがおきないのか。あと、男同士だと絶対間違いが起きないのか。そのようなジェンダーの話になってくるのでまだどうにかできるかもしれない。


その參、借りてるホテルの規則はどうなのかだ。

正直ここが1番大事だ。もうホテル側がだめであったらもうだめだ。ただホテ

ルがよければまだ抗えると思った。だから、明日の朝ホテルに聞いてみよう。


正直、今までの僕だったら会社の言われたら仕方がないよで済ませていただろう。ってか会社が用意してくれたホテルなんだからそこは節度守っておとなしく過ごそうよとも思う。


けど、あの2人の顔を見たら少しは馬鹿やってもいいと思えた。珍しくやる気が出ていた。


ファミレスでは、最初こそ愚痴だったが時間が経つと今まで通り、冗談を言い合ったり楽しい話をした。ご飯を食べた後、天をホテルに送り、海と帰路に着いた。


「ねぇ、 少し歩かね?」

海が散歩の提案をしてきた。話したいことがあるのだろう。


「いいよ。じゃあ、コンビニで何か買って食べ歩きしよ!」

こうして、コンビニでアイスを買って夜道を歩いた。


少し蒸し暑い夜だった。


「あのさ、田山さんのことだけどさ瞳が天に嫉妬してチクったんじゃね?」

海が驚くようなことを言った。だけど、嫉妬する要素あるかなー?海がかっこいいから独占したいとか?その可能性はなくはないけど、26歳の大人がそんなこと考えるかなぁ。と頭をひねった。


「だって、写真見ただけで注意はしないでしょ」

「まぁ、そうだけどさー。けど、瞳僕らとも仲いいからわざわざ告げ口みたいなのしないと思うけどなぁ」

「絶対、瞳だって」

「今度、確認してみるかー」


話が平行線に進むのでざっぱり切った。同じことをうだうだ話すのは苦手だ。本人に聞かないとわかんないことは本人に聞かない限りは話題に出すべきではないと思うからだ。


「にしても、自炊始めたばかりなのに……。あっけなく終わったな」

そう言い、 海は空を見上げていた。


この日の空には、いつも見せてくれていた星の輝きなどなく、ただただ雲に覆われていた。



6月1日 (水曜日) 7:00


好きな音楽で朝目が覚める。まだ寝足りないと思い、1回俯せになり身体の全体重をベットに押し付ける。まだ眠りたい最後の抵抗だ。そんなプチ現実逃避をして気だるい身体を起こす。このホテルで寝て以降、異常に身体がだるい。そんな身体に鞭を打ちながらお風呂場に向かう。


「あぁ~、 眼が覚める」

僕は、朝シャワーを浴びないと頭が起きない。その上、どんなに丁寧に夜に髪の毛を乾かしても絶対に朝起きたら寝癖ができている。それはもう爆発しているので櫛なんかでは直らない。直せない。だから、いつも朝出かける1時間30分前には起きている。


シャワーも浴び終え、髪を乾かし、今日の服を着る。そして服の下に来ているシャツの両腰あたりにワンプッシュお気に入りの香水をつける。


ここの位置はほんのり香るくらいだからおすすめだ。出かけれる準備をし、僕はホテルの本館に向かった。



「おはようございます」

「おはよう」

ホテル本館には朝食を食べに毎日来ている。日替わりの定食が500円で食べれるので行くほかないのだ。他の職場の面々は朝食は食べない派らしい。それじゃあ、力つかないぞとは思う。


いつものように朝食を食べながらホテルの人と少し雑談する。本題に入りたいけど、なかなか言う勇気が出てこない。口の中が乾いて行く感触がする。


意を決して雑談の途中で昨晩用意した質問を投げかける。

「そういえば、 1つ質問があるのですが」

「どうしました?」

「あのホテルの別館に人を呼んだりしても大丈夫ですか?」

これが断られるともう部屋で一緒に食べることをできない。頼むから許可を出してくれと願う。



「あ〜、ちなみにどういった人を呼んだりしますかね?」

「職場の人ですね。ご飯食べたり」

「それだったら大丈夫ですよ。ちなみに1人当たりの光熱費を1万円と考えているのでそれさえ超えなかったら大丈夫です」

「ありがとうございます」

ひとまず、安心した。ホテル的には人を呼んでも大丈夫らしい。


「あ、ちなみにお店の人とか知らない人を呼んじゃうのはダメですね。風営法とかに引っかかってしまうので」


何のこと言ってんだろう。首をかしげながらとりあえず返事した。


「わかりました。ありがとうございます。あと、ごちそうさまでした」

ご飯を食べ終わり、時刻は8時15分。小走りでホテル別館の方に戻り、海の部屋をノックする。


少ししてから海が爆音で音楽を流しながら歌いながら出てきた。


「おはよ」

「おほよ」

いつものように挨拶をしてから走って駅に向かった。これが朝のルーティンだ。


12:00


「石田さん聞いてくださいよ」

「ん、 どうしたの?」

いつものように公園で海と石田さんとお昼ご飯を食べていた。 海は田山さんに昨日言われたことを説明してた。


「それは田山さんちょっと言い方が悪いですね」

「そうですよね〜。ってかなんでだめなんでかね。会社の規則見たらそんなことかいてなかったです」

海は会社の規定を調べてくれたようだ。会社の規定ではないとなるとやっぱり田山さんの個人的な意見なのだろうか……。


「あ〜、そうなんだ。でも、会社が借りているホテルだからそこで何かトラブルがあっても会社の責任になってしまうだろうし、そこを避けたいんじゃないのかな」


おおぉ、まさに大人の意見だ。社会人としては、おとなしく言われたことに従わなければいけないなと思う。羽目を外しすぎたと少し反省もするけど、やっぱりどこか納得できない部分があった。「だめですよ」「はい、そーですか」とはならない。やっぱりちゃんとした説明が欲しいものだ。


「でも、君たちはそれだけの理由じゃ納得できないでしょう。ってか僕も奥さんを呼ぶ予定だったけど、それもだめかな」


僕の考えが顔に出てたのか、 石田さんにフォローされてしまった。


「奥さんとかは大丈夫だと思います」

僕はそう言い、今朝のホテルの方との会話を2人に伝える。


「そうなんだ。なら大丈夫そうだね」

石田さんはそう返事をし、海は声にならない声で苦しそうに笑っている。

呼吸を整えてから海は言った。


「風営法の話されたの、陽が風俗呼ぼうとしてると思われたんじゃね?」

ホテルの人と話がかみ合わなかった部分のことを指摘し、そう言った。


「あー、おかし」

海が再び笑い出した。どうやら海のツボに入ったようだ。


なるほど、最後の風営法がうんたらかんたらの話はそういうことか。知人は呼んでもいいけど風俗は呼んではいけない。それで風営法の話がでてきたのかー。と納得した。

って納得してる場合ちゃうわ。 あの瞬間ホテルの人に「あっ、この人風俗呼びたいのかな」って思われてたことだよね? 恥ずかしっ


その話し合いから今日の帰りに田山さんになぜだめかの理由を聞こうということになった。それからいつものようにキャッチボールをしてから職場に戻った。



17:45


仕事が終わりそれぞれ自分の荷物を持ち、職場を出始めた。


「ひーちゃん。ちょっと私残るから先駅向かっててー」

もちろん天も田山さんとの話し合いに参加するため、いつも一緒に帰っている瞳に声をかけていた。


職場を最後に出るのは唯一社員である田山さんだ。そのため、僕たちも皆が職場を出るのを待ち、田山さんが1人になる機会を伺った。


「田山さん帰りながらでも良いので昨日の件について話してもよろしいですか?」

「あっいいですよ」

田山さんは2つ返事で了承してくれた。


職場から駅まではおよそ10分、電車内は5分、たいして話す時間がないなと思いつつ話を切り出した。


「昨日言われたことでお聞きしたくて部屋に行くっていうのが会社の規則でだめなんですか?」

このことは確認済みだが、田山さんはどう答える。


「いや、会社の規則とかではないですけれど、会社としてはそういうトラブルを起こさないためにも男女別のホテルをとっているんです」

ごもっともなことを言う。


「その会社側もトラブルを起こしたくないっていうのはすごく分かるんです。でも、それって性の問題の話になってくるじゃないですか。もし、俺と海で間違いが起きないかっていうと今のご時世分からないじゃないですか。じゃあ、男同士はよくて女同士もよくてなんで男女がだめになるかが納得できないです」

特に天にとってはその辺の問題は敏感だろう。あまり話に出したくはなかったが、田山さんを説得するために話さざるを得なかった。


「確かにねー、でも会社としては、本当は男同士でも部屋の行き来はして欲しくないんですよ」


「そうですよね。あと、ホテル側にも確認したんです。部屋に職場の人を呼んでご飯を食べていいか。そうしたら、1部屋あたりの光熱費が1万円越えなければ問題ないとおっしゃっていたのでホテルとしては良かったです。」


「そうなんだ」


「だから、田山さんがとても心配してくださってるのは分かるんです。会社としての意見も分かるんですけど、会社の規則でダメなわけではない、ホテルとしても大丈夫。ってなってくると僕たちは現状納得できてないです。間違いも起きるわけないですし」


「そうですよね。 けど、会社的には辞めてほしいんですよ」


そうこう話していると駅に着いた。話は平行に進むばかりだった。正直もうここまで話したらどうしようもできないなと思っていた。


そして、3人で電車に乗り込んだ。


「すいません。 田山さん僕たちのわがままを聞いてくださってさりがとうございました」

ここまで来たら折れるしかないなと思った。しょうもない時間を田山さんに使わせてしまったなと内心思った。


「僕からは話以上ですかね。天と海は何か最後に言っておきたいことある?」

これまで終始無言だった2人にも話を振っておく。


「「……」」

 2人とも同じように顔が曇っていた。もう一緒に食べれない。もう一緒に歌えないことを悟ったのだろうか。


そこからただただひたすら無言の時間が流れた。田山さんが気まずそうにしている。僕も気を利かせたことを言いたいが、この2人の空気間の中それも難しい。 ごめんね、 田山さん。


「福知山 福知山一。お出口は左手になります」

やっと、電車のアナウンスがした。友達の友達とふいに2人きりになってしまった雰囲気よりもきつい空間からやっと解放されると思った。


「3人は何が1番辛いの?」

 駅のホームで田山さんが聞いてきた。


「ふ、2人との空間がすごく居心地が良くて、陽もギターすっごく上手で海も歌がすっごく上手で皆と歌いたい」

 今にも泣きそうな声で天が答えた。


 田山さんは唇を噛みしめながら頷いた。そして、次に陸に目を向けた。


「俺は、やっぱりご飯ですね…」

 下を見ながら陸は呟くように言った。


プシュー。

「それでは発車いたします」

僕らが降りた電車は次の駅へと進んで行った。


「やっぱり3人で食べるご飯です」

 今度は顔を上げ田山さんの目をしっかり見て言った。


 田山さんは頷き、僕の方に顔を向けた。


 やっべ。何にも考えてなかった。2人の真剣な思いに感動していたらいつの間にか僕が言う番になっていた。えーっと、どうしよ。今までの思い出を必死に振り返る。



「ご飯です。僕も3人で食べるご飯です」

 陸と被っちゃったけどしょうがない。何気ない日常を3人で過ごすのが好きだから。とくにご飯は、まるで3人の兄弟が集まって食べているようなそんな雰囲気があって楽しかった。福知山で味わうとも思わなかった感覚だった。


「明日、課長が現場の様子を見に来るんです」


 田山さんが3人それぞれの顔を見ながら言った。

いつもふわふわした喋り方の田山さんだったが、意を決したかのようにはっきりとした口調で続けて言った。


「課長に話をして見ます」


その言葉に僕ら3人は顔を見合わせた。


「「「ありがとうございます」」」

田山さんに頭を下げた。


「話してみるだけなのであまり期待しないでください。とりあえず今日は帰りましょう」


「はい!お疲れ様でした。本当にありがとうございます」


こうして、田山さんと駅で解散した。


「ふぅ、一旦は良かったね」

2人に声をかけた。


「課長さんから許可出るといいな〜」

 不安そうな顔で天が言った。


「とりあえず、ご飯行こうぜ」

 陸が提案する。


「あり、ファミレス行こ。皿もらいに」


「「あり」」


 田山さんとの一戦を終え、僕たちは2日目連続となるファミレスに入った。そして、また例の店員に「皿でーす」と流れるように渡され、また3人でツボに入り笑った。


この日の空は、昨日と変わらず星が見えていなかった。

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さよなら火曜またきて木曜 天ノ悠 @amanoharu

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