オムニバス形式で綴られる、7人の死後の世界を描いた作品。
これは、3人目まで読んでの感想となります。
それぞれ、年齢も仕事も違う彼等は、不慮の事故で突然、命の灯火が消えた。
その彼等が行き着いた場所は【白の間】
そこで出会った案内人サキカワに、ラストチケットを渡される。
そのチケットで、一体、何が出来るのか……。
私事ではありますが、自分は幼い頃から身近な人が亡くなる経験が多くあった。葬儀などの場で「亡くなった人は、いったい今どこにいて、どんな事を思っているのだろう」そんな事を考えたことは、何度もあった。
その答えを、この物語が教えてくれている様に感じた。
作者の作品は、どの作品も温もりがある。
この作品は読んだ後、とても切なくやるせない気持ちになるけど、彼等は「きっと大丈夫だ」と思わせてくれる優しさが、心地よい。
この世を去るまでの7日間。
自分なら、ラストチケットを使ってどうするかな。
誰にでも、いつか必ず来る命の終わり。その日がいつか来ても「大丈夫、きっと怖くない」と思わせてくれる。そして、後悔しない様に、今を精一杯に生きようと、優しく背中を押してくれる。そんな不思議な力がある作品です。
それをあなたも、感じてみませんか?