後書き

 令和五年六月二十四日から連載を始めた「あの娘が空を見上げる理由-願い-」は、今日十月二十一日をもって完結いたしました。相変わらず長い話となりましたが、ここまでお付き合いくださった皆様、どうもありがとうございました。


 「あの娘が空を見上げる理由」シリーズも、気が付けば四作目です。二十二歳だった正人は三十路になってしまいました。「願い」は三十路になっても尚、思春期のごとく自分探しを続ける正人と、正人の脆い内面に戸惑いながら支えようとする美葉の物語です。正人には乗り越えなければならないものが沢山ありますが、その一つが父親との関係でした。今回は、過去の自分が父親をどう捉えていたのか、同時に父親は何故家族を蔑ろにしたのかを明らかにし、向き合います。残念な結果にはなりましたが、ここから正人は時間を掛けて、父との新たな関係を築いていくことでしょう。

 

 アキもまた、幸せを恐れる自分と決別し、家族との絆を結びなおしました。佳音と錬も自分たちの夢に向かって進むことが出来そうです。今回一番皆様を驚かせたのが陽汰の転身ぶりでした。彼は当別の仲間達とちょっと違うペースで、仲間達やのえるとの関係を育みながら成長しています。


 桃花は難しい娘さんに育ってしまいましたが、今回の一件で自分を見つめ直し、もう一度前に進んでいけそうです。


 前回の「赦し」でもそうでしたが、大団円を迎えたここで「めでたしめでたし」と結べば良いのですが、「あの娘が空を見上げる理由」シリーズはもう少し続きます。本当は四作目で結末としたかったのですが、結末のストーリーを書く前にどうしても今回のストーリーを書いておかねばと思いました。ですから、次のストーリーはすぐに連載を始めようと思っていたんです。出来ればカクヨムコンで……と思っていたのですが、それはやめました。


 「願い」はそんな計画の元書いていたので、ちょっと急いでしまった感が否めません。ですから、最終話は振り回される要素のない状況で、悔いの無いように書きたいのです。


 次回はまた、夏頃公開できたら良いかなと思います。その時はどうぞよろしくお願いいたします。


 堀井菖蒲

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あの娘が空を見上げる理由ー第四章 願いー 堀井菖蒲 @holyayame

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