初作と思えない完成度

集中力が切れることなく一気に読みました。

妖精であるがゆえの自由さを根本としながら、前世に人であったがゆえに人間に対して情を持つ、それが絶妙なさじ加減で融合されている主人公の性格とそのあり方が、読んでいてなんの抵抗もなくするすると入ってきます。

そして主人公はストーリーの中心にいながら蚊帳の外で、周囲の登場人物達によって物語がシリアスに展開していくところがまた秀逸ですね。

噛み合っていないのにコミュニケーションが成立し、すれ違ったままに問題が解決していき、なのに当の立役者の妖精はまったくわかっていないまま。

深く考えず思いつきでしたすべての行動が、結果としてなんらかの意味をもたらし、整合性が取れてしまう痛快さ、これは読んでみないと分かりません。
一風変わったチートコメディ、ぜひ読んでみてください。

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