物語に漂う独特の

世界観がとても魅力的な作品でした。
書きたいモノを書くという思いから生まれたように感じる力強さがあるにも関わらず、儚さが付き纏う物語です。
すでに完結まで読了済でのレビューとなります!

短編向けとしてどれだけ練り抜いたのか想像もつきませんが、導入から完結までが澄んだ川のように綺麗に流れていくわけですが、川底をかき乱したような濁りを主人公は宿しています。
そんな主人公の他にも登場人物は何名かいるわけですが、配置と人物像の設定がとても機能しており物語上で主人公が混ぜるスパイスを見事にマイルドに仕立ててくれる名配役となっていました。

そして最後に暗闇の中を手探りで進むような物語の場合、どのような形で終わりを迎えるかというのが作者様の腕の見せ所でもあるのですが、個人的にとても納得できる落とし方になっていて思わず声が出てしまいました!

そんな物悲しさの先を描いた物語、興味をもたれた方はぜひとも読んでみることをお勧めします。

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