クリスマスイブ

 クリスマスイブの夜、わたしたちは友達とカラオケボックスに集まって、特別なパーティーを開くことにした。クリスマスムード一色の街並みを抜け、冷たい風に頬を赤くしながらも心は踊っていた。今日は特別な夜。いつもと違うちょっとしたコスプレをして集まったから、みんなの気分もさらに高まっていた。


 カラオケボックスに入ると、みんなの姿を確認する。まず目を引いたのは瑠美の姿だった。彼女は『スパイファミリー』のヨルさんのコスプレをしていた。彼女の黒いタイトなドレスは体のラインにぴったりと合っていて、胸元の赤いリボンがアクセントになっている。ヨルさんの特徴的な髪型も完璧に再現されていて、まるでアニメから飛び出してきたかのようだった。


「瑠美、それクリスマス関係なくない?」


 みんなで笑いながら言った。そうしたら、瑠美も笑う。


「だってこれ着たかったんだもん!」


 肩をすくめる瑠美。その自由な感じがまさに彼女らしい。


 次に目に入ったのは、由美のサンタコス。赤いサンタ帽に、白いふわふわのポンポンが付いたミニドレスを身にまとっている。彼女は笑顔で「メリクリ!」と挨拶しながら、サンタクロースの袋を持って登場した。袋の中にはお菓子や小さなプレゼントが詰まっていて、みんなに配るつもりらしい。その気遣いにほっこりしつつ、さすが由美だなと感心する。


 そして、最後に登場したのは真理子のトナカイコス。茶色のふわふわした全身衣装に、赤い鼻のついたヘッドバンドをしている。彼女は「トナカイでーす!」と元気よく手を振って、まるで本物のトナカイのようにぴょんぴょん跳ねてみせた。その姿に、わたしたちは思わず笑ってしまう。


「じゃあ、今日はこのコスプレで思いっきり楽しもうね!」


 わたしはみんなに声をかけた。カラオケボックスの中は暖かくて、外の冷たい風を忘れるほど。まずはクリスマスソングから始めることにした。


 瑠美がマイクを握り『ジングルベル』を歌い始める。わたしも一緒に歌いながら、友達のコスプレ姿を見ていると、本当に楽しくて心が満たされる。由美はサンタクロースの帽子をかぶったまま、元気に手を振りながら踊っているし、真理子はトナカイの頭を振りながらリズムを取っている。その下らないけれど楽しい様子に、わたしも思わず笑顔がこぼれる。


「次はわたしが歌う番ね!」


 わたしは意気込んでマイクを手に取る。選曲はもちろん、『ホワイトクリスマス』。マイクを握る手が少し震えるけれど、友達と一緒なら大丈夫。わたしは深呼吸をして、歌い始めた。


 歌い終わると、みんなが拍手してくれて、わたしの心はさらに暖かくなった。カラオケボックスの窓から見えるイルミネーションも、いつもより輝いて見える。友達と過ごすクリスマスイブは、やっぱり特別だ。


「やっぱり、友達と過ごすクリスマスイブが一番好きっ!!」

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2024年12月25日 23:35 毎日 23:35

ハッピーガール 米太郎 @tahoshi

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