ここには愛が詰まってる。

タイトルからは想像もつかないほど、強い感情に満ちた物語です。

新米先生の『僕』が、いろいろとやらかし、教頭先生に怒られる日々を過ごす中。生徒である10歳の女の子から一通のラブレターをもらう――。

物語の始まりは軽快で、時折クスっとさせてくれる先生が描かれています。
筆者さまらしい比喩表現の面白さもさながら、重ねて落としてくるあたりが最高に楽しい滑り出しです。
しかし女子生徒――冬花からもらったラブレターが『僕』によって開かれた時、その空気が一変します。

この物語の素晴らしいところは、先生である『僕』が、彼なりの善なる心で生徒を救おうとすることです。
間違っていても良いのです。誰にでも適用できるような完璧な正解などはないのです。
大事なのは、そこに確かな『愛』があり、それを相手にきちんと伝えること。
私はこの物語に、溢れんばかりの愛をしっかりと感じました。
きっとこの物語を読み終えるあなたの頬は、気付かないうちに緩んでいるはず!

生徒や先生、そしてその親に限らず、いろいろな立場の人に読んでいただきたい物語です。

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