皇帝や后妃、宮女たちが織りなすドラマ

 華やかな宮廷を舞台に、貧しい家柄の項白檀が宮女として後宮に入り、複雑な人間関係と謎を解き明かしていくストーリーになっています。

 主人公の白檀はしっかり者で現実的な性格をしており、父親譲りの教養を生かして難局を乗り越えようとする姿が印象的です。弟の受験のために必死に働く姿に、家族思いの優しさも感じられます。

 また、美貌の禁司長・環芳玉の人物像にも興味をそそられました。才能もあり皇帝の信頼も厚いようですが、同性からの好意に悩まされている様子が面白いですね。

 宮廷内の派閥争いや、皇帝寵愛をめぐる后妃たちの葛藤など、後宮ならではの陰謀や駆け引きも物語に奥行きを与えています。さらに、「桃李の宴」で白檀が気づいた不穏な兆候は一体何なのか。

 テンポの良い展開で、豊かな情景描写もあり、読み応えのある作品だと思います。主人公の白檀を中心に、皇帝や后妃、宮女たちが織りなすドラマが今後どのように展開していくのか楽しみです。

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