君の犬

莉子は長年片思いをしていた。
通学の電車が同じだっただけのカケル君。

良くない噂の多いカケル君の視界に入る事もなく、高校を卒業し、退屈な毎日を送っていた時に偶然見つけたのはあの憧れのカケル君だった。

これってようやく片思いを終わらせるチャンスかもしれない。
せめて思いを伝えられたら。
莉子はそう思い、カケル君の視界に入る為に動き出す。