演目に拍手を
エピローグ
「どう? 『ヨルの殺人庭園』。上手くいってる?」
文芸部室の一角にて、私とハヤトでキューブを眺めていると、背後からミカン先輩の声が降ってきた。ハヤトは、もちろんですよ、と元気な声で答えた。
「今第一戦目が終わったところです」
「そっか。小説のネタになりそう?」
「オレはこういうキャラクター多いの書くの苦手なんで……マキに丸投げしよっかなって」
「えー、まぁ、得意だけど」
そんな答え方をしたけれど、乗り気じゃないわけが無い。デスゲームを書くのは大好きだ。なにせ、私はスリリングな非日常を描くのが大好きだからだ。
非日常というものは、日常があるからこそ輝く。私がこう考えてるんだから、ハコニワの中の私も、同じ選択をしたのだろう。
ミカン先輩は、そっか、と言い、私とハヤトの肩に腕を掛けた。
「じゃあ新作、楽しみにしてるからね。もちろん、ハヤト君も何か書いてよね」
「はーい。オレもマキが書く『ヨルの殺人庭園』、楽しみにしてるから」
「うん、分かった」
さっそくネタ帳に筆を滑らせる。箱庭の中ではもう第二ゲームが始まろうとしている。皆は次はどんなゲームを繰り広げてくれるだろうか? それはとっても、楽しみなことだと、あなたは思わない?
ヨルの殺人庭園 神崎閼果利 @as-conductor
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