虚構が現実を侵蝕する——オンラインゲームに巣喰う呪いから逃れられるのか

プレイすると必ず死ぬという、あるオンラインゲームの隠しクエスト。
その呪いに中学時代の同級生・マキタが関わっていると聞き、主人公・徹矢は死のクエストへの招待を受け入れます。

まず、オンラインゲームを舞台としてデスゲームを成立させる設定が秀逸だと思いました。
同じ建物に集められなくとも、プレイヤーはそれぞれの場所からゲームに参加できる。
ゲーム内と現実とで二重に人間関係が絡み合いながら物語が進行していき、ものすごいスリルと緊迫感が味わえます。

そしてデスゲームの醍醐味といえば、参加者同士の腹の読み合い。
本来であれば仲間と協力してクリアを目指すゲームのはずが、如何に相手を出し抜くか、誰を信用していいのか、徐々に疑心暗鬼になっていくプレイヤーたち。
加えて、クリアできたところで本当に命は助かるのかという強い不安が、更なる緊張を煽ります。

アクション描写の得意な作者さまらしい、ゲーム内での戦闘シーンの迫力も見事。
先読みできないストーリー展開とも相まって、最後までハラハラドキドキしながら読み進めました。
そして、衝撃のラスト——!
はたして徹矢はクエストをクリアし、マキタの呪いから逃れられるのか? ぜひあなたの目でお確かめください!

その他のおすすめレビュー

陽澄すずめさんの他のおすすめレビュー2,227