エピローグ

 天の川銀河を駆け巡りながら、関川フタヒロとSARAはケイに出会いの物語を語っている頃だった。

 

 太陽系第三惑星地球、天を貫く程そそり立つ摩天楼『変態の館』のペントハウス兼CEO室


「……そうか、関川くんは元気にやっているか」


 壁一面の窓ガラスから地上を見下ろし、葉巻をくわえるダークスーツの男、カノウCEOが静かに振り返る。

 その視線の先には、顔面にモザイクの貼られた男ビッグベンが跪いている。


「は! これまで有能な回収人が返り討ちにされてきた債権者たちから難なく回収の任務をこなしております」

「……ふ。流石だな、関川


 カノウCEOはニヒルに嗤い、指を弾いて鳴らす。

 ビッグベンの顔のモザイクが消え、その素顔が露わになる。

 そこには、カノウCEOと同じ顔を持つ男が現れた。


「ご苦労だった、我が分身体よ」


 カノウCEOが手をかざすとビッグベンは触手となり、細胞の一部として身体の中へと取り込まれていった。

 そして、紫煙を吐き出し、美女の柔肌のように身体に馴染む社長椅子に腰を下ろす。


「フッフッフ。変わらないな、関川さん。たとえ千年前の生まれ変わりだろうと平行世界で魔王になろうと私にとっては相棒のままだよ。あんたは自由に活動して、変態てんさいたちを覚醒させてやってくれ。それが、この世界を支える変態の館の糧となるのだから」


 カノウCEOが千年物のコニャックに手を伸ばそうとした時だった。

 別の星系にある支社から通信が入る。

 債権の回収が困難な顧客たちが再び現れたらしい。


 カノウCEOが通信を切ると、コニャックに伸ばしかけた手を静かに下ろす。

 それからまたニヒルに嗤う。


「クックック。あんたに休息はまだ早いらしいぜ、関川さん? 次の変態共がお待ちのようだ」


 銀河に輝く綺羅星、その何処かでまた物語が紡がれていく。


―了

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ハーフ&ハーフ3~関川さんと遊ぼうキャラメイク編~ 出っぱなし @msato33

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