睡眠が主軸となった社会!?その独特の設定と重厚な文章力は圧巻!

設定が素晴らしいの一言です。私では考えつかないです。
本作の舞台は、人間の夢を計算リソースとして社会インフラを構築した睡眠都市《ヒュプノポリス》。
その都市では眠ることのできない無眠者、通称『夢なし』は差別されてしまうため、無眠者であることを隠して生きている者もいます。
この有眠者と無眠者の関係性から生まれる物語が、繊細な心理描写で綴られています。

プロローグからその世界観が説明されていますが、凝った設定なのに分かりやすいのは高い文章力のためです。
主人公の状況や世界観がスッと頭に入り、しかも物語に引き込まれる最高の冒頭です。

独自の設定と文章力、そして人間の心理を浮き彫りにするどこか切ないストーリーは必見!

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