壮絶な結末のギリシャ物語の直後から始まるこの続編、ハラハラドキドキさせる展開が続きます。前作同様、古代ギリシャを舞台にし、実に多くの人物が登場しますが、誰これ?と読者に思わせることなく、命をかけた戦いや、主人公ティリオンがアフロディアを想う気持ちなど、人間の生き様が生き生きと描写されています。そこに一癖も二癖もある登場人物が何人も登場し、くすりと笑わせるユーモアとシリアスの匙加減も絶妙です。物語の主題は、ティリオンとアフロディアの愛と命をかけた逃亡劇なのですが、脇役達のキャラも濃く、続きが楽しみな壮大な群像劇です。ギリシャ物語の前日譚ティリオンの番外編も見逃せません。
かの名作「ギリシャ物語」の続編。前作の衝撃のラスト直後から始まる物語は、アテナイの青年ティリオンとスパルタのアフロディア姫の逃避行で幕を開ける。ますます複雑にからみ合う、各ポリスの利害と思惑。そして人々の事情と都合も錯綜する中で、ティリオンはさらなる試練の中へと落ちていく。ときに抱腹絶倒の要素をはさみつつ、ティリオンの華麗にして過酷な冒険は、アフロディア姫との安住の地を見つけ出すことができるのか。とても読みやすいのに、濃厚なドラマ、緻密な構成、魅力たっぷりのキャラクターたち、絵画か映画のような美麗な演出、迫力のアクション、不意をつかれるハイセンスなユーモア。全部入りの、波乱万丈のラブロマンス、前作とセットでおすすめです。
深い悲しみを背負った逃亡者ティリオンと、敗戦国スパルタのお姫様アフロディアが、追手から逃げる場面から始まります。
戦争で親しい人達も、帰る場所すらも失い、失意の底に沈むアフロディアを、ティリオンは剣を片手に、まさに命懸けで守ろうとします。
ティリオンがなぜ逃亡者になったのか、彼とアフロディアとの関係などは、ギリシャ物語とギリシャ物語外伝をお読みいただければと思います。
さらには、ティリオンを探すアテナイ軍総司令官の事情も、スパルタのクレオンブロトス王と深い関係があるコリントス軍副司令官の事情も、ギリシャ物語とギリシャ物語外伝で語られています。それぞれの背景を知っていると、今作はより楽しめると思います。
誰かを強く想い、その人の為に行動を起こすけれど、その人もまた別の誰かを想い、自分を大切にしてくれる人の気持ちに応えられない。さらには、国という大きな壁に阻まれ、登場人物達の関係は複雑に絡み合っていきます。
どうなってしまうんだ……と、ドキドキしながら読んでいます(第十五章読書中)
ぜひ、読んでみてください!
舞台は古代ギリシャ。都市国家が乱立し、対立していた時代。
前作に引き続き、ライトユーザーでも楽しめる軽快な文章はそのままに、構成は文芸作品に近い硬派なストーリーとなっています。
物語は緻密に練られており、さりげなく伏線をばらまきつつ、常に読者の想像を一枚も二枚も上回ってくれます。
当作品は前作「ギリシャ物語」の続編にあたりますので、できれば前作の方から先に読んで頂きたいところではあります。独立した群像劇のため第二部から入っても十分楽しめるのですが、それでもやはり「ギリシャ物語」を先に読んで頂いた方が、何倍も楽しめると思います。
前作の舞台はスパルタでしたが、今作の舞台はスパルタを破った敵国テバイとなります。
不慣れな敵国の地――テバイにおいて、孤立無援の状況からスタートという、なかなかホットな立ち上がりを見せます。それゆえ、ハラハラドキドキの連続です。一体どうなってしまうのか。目が離せません。
登場人物たちが本当に生きているかのように動きますから、自然と感情移入の度合いも強まろうというもの。
特に、敗戦と同時に多くの仲間を失ったアフロディア姫を思うと……って、あれ? 思い出しただけで目から熱いものが。
と、このように。
現在、私が一番ハマっている小説です。そうですね。例えるなら、祖国をスパルタと勘違いするぐらいにはどっぷりと。
最後に「ギリシャ物語」における豆知識を一つ。
「スパルタの飯は文字通り、死ぬほど不味い! しかも飲酒は禁止!」
何を楽しみに生きていけばいいんだ。ああ、そうか。だからスパルタ人は死をも恐れないのか。
史実にフィクションを織り混ぜた、歴史・戦記・恋愛などを主軸としたエンタメ小説です。
ギリシャ、歴史、戦記と聞くと馴染みがない、難しい、と思われる方もいるかもしれません。でもこちらの小説、とにかく読みやすいです! 苦手意識で読まず嫌いするのは非常にもったいない!
歴史モノが好きな方はもちろん、普段ファンタジーやラブストーリー、ヒューマンドラマを楽しんでいる方にもオススメです。
ギリシャ物語は無印、外伝、そしてⅡ【前編】が公開されているシリーズものです。先に公開された2作を読んだ上でⅡを読むと、より一層物語に没入し、楽しむことができるかと思います。
というのも、ギリシャ物語には、国や歴史が動くときの大きなうねりだけでなく、その中で強い思いを抱いて生きる人間たちもが描かれているのです。
それぞれがどのような軌跡をたどり、どのような思いを持って行動しているのかを知ることで、より物語をいろんな登場人物の視点から味わえると思います。
登場するキャラクターは誰も彼もが個性的で、魅力的です。抱える思いは時に愛であり、時に陰謀であり、様々です。その思いが結びつき、絡まり、すれ違いながら物語は進んでいきます。
あのキャラも、このキャラも。その思いの行き着く先はどこなのか? 物語はどこへ向かうのか!?
続きが非常に楽しみな作品です!
※第十三章5までを読んでのレビューです。
激動の完結を迎えた大河ロマンの、待望の続編です。
古代ギリシャの歴史をなぞりつつ、魅力的なキャラクターたちがそれぞれの情熱、愛、悲しみ、様々な運命を背負いながら己が道を突き進んでゆきます。
登場人物は多岐に渡り、それぞれの関係と道筋は相互作用し時に絡まりながら物語を紡いでゆきます。前作同様に伏線がそこここに散りばめられ、恐らく物語通してかなり複雑なプロットを組まれていると思うのですが、とても読みやすいのでそれと気付かずに読み進められてしまうのがこの作者様の恐ろしい力量だと思っております。
美しい心根が外貌にまで現れているかのような真摯と誠実の化身ティリオン、小さな身に燃えたぎる炎を宿している姫獅子のアフロディア姫を始め、魅力的なキャラクターたちのこの先が気になって仕方がありません。
果たしてあの方は生きているのか、野望と陰謀の行方はいずこへ向かうのか…
ぜひ多くの人にお勧めしたい名作シリーズです!m(_ _)m
『ギリシャ物語』が帰ってきた!
待ってました、な人も多いはず。
初めての方もぜひぜひ!
『ギリシャ物語 Ⅱ』となっているので、無印から読まなくちゃいけないの? というと、
そんなこともないと思います!
物語内の時間軸は、
『ギリシャ物語 外伝~旅のはじまり~』
↓
『ギリシャ物語』
↓
『ギリシャ物語 Ⅱ』←今作!!
となっていますが、作者様が書かれた順番は『ギリシャ物語』からであることからも分かるように、
どこから読んでも楽しめるように書かれていると思います。
前作・前々作を読んだので太鼓判を押させていただきます。
今作も絶対に面白いこと間違いなしと!!
古代のおおらかでありながら残酷さも垣間見える歴史的雰囲気、
生き生きとしたキャラクターたち、手に汗を握るストーリー。
ここにはすべてがあります!
ふだん、冒険小説やファンタジー小説を読んでいる人も楽しめるはず。
ぜひ読んでみてください!