師の罪は、きっと私が——。

 視点は宮廷魔術師の男性。国王の命を受けて、悪名高い魔術師の弟子の少女の旅を観察しに行く。この少女こそが、この物語の主人公だ。
 少女は魔術の才能が見込まれず、師に追放されたという経験を持つ。しかし、少女は持ち前の明るさと知識・知恵、そして優しさで人々を救っていた。それもこれも、師の罪を自分が償うためだ。しかし少女の体質は、ある特殊体質だということが判明する。
 男性は少女と接していく内に、少女の正体と少女の師の罪について、気付かされるのだった。

 主人公の厳しい優しさや、機転の良さに、ハッとさせられる一作。
 中編ですが、読みごたえは長編に負けないと思います。

 是非、御一読下さい。