バイエル16番
友未 哲俊
🎹
ドミレファミドレ
ドミレファミレド
うーん、難しい。とちゅうで手を止めて、
この曲、いくらがんばっても、右手と左手が頭のなかでバラバラになってしまって、ちっとも合わさろうとしてくれません。これまでの曲だったら、右手が
困っている美名ちゃんを見た先生が、きのう「この曲はね、
レミドソ ファミレ
ドミレファ ミレド
右手だけで
「きしょうてんけつがとてもきれいでわたしも大好きな曲なのよ」って先生は言っていたけど、<きしょうてんけつ>って何かしら?それに —— と、美名ちゃんは、生れてはじめてピアノを近くで見た時にふしぎに思った
「あーぁ、」
美名ちゃんはピアノの右
「おまえ、よくこんな
そこには、いつものように子ネコの
半分ひらいた四月のまどから、あまい
「おばあちゃんが!」
家中に叫び声がひびきわたりました。
「おばあちゃん!」
あおい顔をした風佳がベッドに
「起きてくれないの!返事がないの!」
かけ寄ったお母さんが、おばあちゃんの
「お母さん … 」
おばあちゃんの右手の指と左手の指が、ふとんの上で、ひとりでに、ゆっくりと、別々に動いて行きます。
四月の光をいっぱいにあびたタンスの上で、
ドミレファミドレ
ドミレファミレド
レミドソファミレ
ドミレファミレド
🌸
🌸
バイエル16番 友未 哲俊 @betunosi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます