遊戯王ならぬ遊戯皇帝? ゲームを極めし彼女の皇帝としての活躍が始まる。

本作の舞台となるのは、中華風の異世界。
そこでは、現皇帝をその座から降ろし、新しい人物を皇帝に据えるという計画が進行していました。
その、新しく皇帝になる人というのが、主人公崔浩の妻、美雨だったのです。

家にいきなり大将軍が現れ、実は美雨は皇帝の血筋であること、及び上記の計画を告げられ、そういうわけだからあなたに次の皇帝になってもらいたいと言われるわけなんですよ。

もちろんそんなもの冗談ではありません。
しかしそんな美雨本人の意思も虚しく、結局は皇帝となることに。

礼儀作法も腕っぷしもない美雨。皇帝といっても、そんなものお飾りでしかありません。
と、誰もが思ったことでしょう。しかし、彼女にはある特技がありました。それは、ゲーム!

実は美雨、カードゲーム的なものや、テーブルトークRPGみたいなものを考案していて、庶民の間ではけっこう流行っている様子。
そんなものが皇帝として何の役に立つんだよと突っ込まれる方もいるかもしれませんが、この設定はギャグや酔狂でつけられたものではありません。意外な、しかし納得のいく形で、ピタッと物語に合致し、見事なまでの活躍をするのです。

そんな設定からイメージできる通り、コメディ要素たっぷりな本作ですが、その一方で、シリアス成分もたくさん。
傷つき心をすり減らすようなシーンも書かれ、大丈夫かと心配になることも。
そんな困難を打破するのが、先述のゲームと、それで鍛え上げた美雨の賢さ。そして何より、夫である浩を含めた家族愛。

ゲームのシナリオもビックリの運命に巻き込まれた美雨たちは、無事ハッピーなエンディングを迎えられるのでしょうか。

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