皇帝になった僕の妻。ー黄河国賢帝遊戯伝ー
肥前ロンズ
まず初めに
僕の妻は、どこにでもいる平凡な女だった。
平凡に生活し、平凡に結婚し、平凡に子を産む。
……いや、彼女の性格や行動力は大分ぶっ飛んではいたけれど、それは置いておいて。
強いて言えば、遊戯が好きなことだろうか。
とは言っても、六博や囲碁などは難しいと、独自で作り上げた遊戯を繰り広げていたのだけど。しかし、それが中々評判がよく、周囲ではちょっとした流行を呼んだりした。
そして僕もまた、ありふれた下級役人の一人。それなりの志は持っていても、特に大きな仕事ができるわけでもなく、禄はほとんど入らず。
そんな妻が、突然、皇帝になった。
これは突然、皇帝を『演じる』ことになった妻と、僕の物語だ。
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