第37話 決着
僕達は風林火山に真っ向から勝負を挑んだ。
「賢人!」
「あいつは任せろぉぉぉ!」
武田悠玄に当たっていくのは賢人だ。
こちらは人数が少ない。だが、それ以上に一人一人が強いと信じている。
「猛は、僕たちの前にいて」
「了解っす!」
僕は奈々を見つめる。
「奈々ならこの戦況を覆せる」
「うん! 【火の海】!」
────ゴォォォォォォ
武田の後ろに牽制で魔法を放つ。
火が晴れると水の球体の壁で防御していた。
でもまだだ。
「【雷撃】!」
水を壁めがけて雷を発する。
球体だった為、足から感電したようだ。
すぐに守りを解いた。
「【嵐】!」
暴風の嵐が奴らを包み込む。そこに向かって僕はナイフを投げまくる。そうすると、嵐に巻き込まれたナイフが中の人を攻撃してくれるというわけ。
「そろそろ消えるよ?」
嵐が消えると身体中を切りつけられた状態で仲間たちが倒れていた。
言う割に強くない気がする。
「
賢人の方は、八の剣閃が武田を圧倒している所だった。
「風林火山はこの程度か?」
「うるせぇ! このチートどもがぁ! 今のうちに潰しゃいいんや! おめぇらなんかにまけんでぇ!」
「俺は奥義と呼べるものを編み出した。絶対に負けない」
「あぁ!? なんやてぇ!? そんなもん嘘に決まっとるやろう!」
「【
賢人の身体から赤いオーラが迸る。
一閃。
それだけで武田を吹き飛ばした。
「なんやそれ!? なんもしてへんのになんでスキル技が発動するんや!?」
「これは俺だけの剣聖だからこそできる奥義だ。攻撃全てがスキル攻撃になる」
「くっそチートがぁぁぁぁ!」
武田の抵抗の剣閃は全てスキル技で弾き返し武田は身体ががら空きになった。
「ファイヤーアロー!」
武田の後ろから火の矢が飛んできた。
「【整頓】」
「【不動明王】」
猛と賢人の位置を入れ替える。
そして、そのまま猛は下がってくる。
「これで最後だね。奈々」
「うん」
「時間よ止まれ」
奈々だけ使えるであろうこの時属性の魔法で風林火山のみんなの元へいき、殴って気絶させる。
バングルを貰ったことでこちらの制御も格段に向上していた。
そして、ボイスチャットで地上にいる薫ちゃんに連絡する。
「終わったよー」
『わかったわーん』
一層に警察官がおしよせて風林火山の人達を捕らえていく。
「それにしても、よく倒せたわね?」
「実は、そんなに強くなかったんだ」
僕の言葉に眉をひそめる薫ちゃん。
「それこそが、奴らがしてきた事の答えなのかもしれないな」
ゆっくり下りてきたのは鮫島さんだった。
「鮫島さん、大丈夫だったんですか?」
「あぁ。もう大丈夫だ。アイツらは俺がしょっぴくんだ。そう決めていた」
鮫島さんが指示を出して次々と風林火山のメンバーを連れていく。これまで同じようにしてランキングに入った人達を殺してきたんだろう。
「僕達みたいに脅されて犠牲になった人が他にもいると思います。ちゃんと調べてあげてください。」
「そうだな。君たちは聞いたところによると規格外に強いらしいな」
「最強だと思います」
鮫島さんにニコリと笑って応えたのであった。
この後調査したところ余罪が沢山出てきてあの人たちは捕まったまま出てこられなくなったそうだ。もう被害者が出ないからよかった。
そして、僕達はというと。
◇◆◇
「ここが今回の代表戦があるアメリカかぁ始めてきたね?」
「だなぁ。なんか実感無いけど。それよりさ、収斗は親と話せてよかったな? 謝ってたじゃないか」
「許す気はあまりないけどね」
僕たちの代表戦への道のりがプライベートジェットで、親も一緒だったのだ。話しかけられたんだけど、なんか嫌だったんだ。でも、大人にならないとね。
「私たちのことも知ってたよね? 猛の両親もいたわよね?」
「勘弁して欲しいっすよ。恥ずかしかったっす」
猛のご両親は久しぶりに会ったものだから猛にベタベタしていて幸せそうだった。あぁいう親ならよかったなと羨ましく思ってしまう。
「いいじゃないか。それじゃあ、行こう」
僕達はランカーとなり、代表戦へと出場する選手にまでなった。
夢のランカーとなった今、僕は『明鏡止水』の大切な人達と楽しく戦えている。
追放されたら無能スキルで無双する ゆる弥 @yuruya
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